2005年01月26日(水) 07時03分
卸業へのリベート廃止 ビール・発泡酒価格上昇(河北新報)
ビールメーカーが卸業者に払うリベート(販売奨励金)を今月から廃止したことを受け、ビールと発泡酒の店頭価格が、東北のスーパーや酒販店でも上がり始めた。リベートで肩代わりしてきた流通コストが卸売価格に上乗せされたため、内容量にかかわらず一缶当たり4—10円程度の値上げとなっている。小売業者はリベート廃止に理解を示しながらも、値上げを拒む大手スーパーの動向や消費者の反応に神経をとがらせている。
ヨークベニマル(郡山市)は東北に展開する96店舗で、1月中旬から24缶(350ミリリットル)当たり100円値上げした。同社は「卸売価格が上がり、やむを得ない措置。できるだけ店頭価格への転嫁を抑えた」と説明する。
宮城など3県で酒販店「酒のロッキー」を経営するマルニ(宮城県唐桑町)でも、リベート廃止前の12月に仕入れたビールの在庫が切れ、一部商品の価格を上げた。値上げから10日ほどたつが、苦情はないという。
リベートは、大手スーパーのダイエーが1990年代、ビールを希望小売価格以下で売るため、メーカーに流通コストの補てんとして要求したのが始まりとされる。シェアを伸ばしたいメーカーが応じ、他のスーパーも加わって安売り競争が激化した。リベートでは流通コストが補えなくなり、卸しや酒屋の倒産を引き起こした。
2000前後の小売業者にビールを卸しているカメイ(仙台市)は昨年11月から、取引先に卸価格の引き上げを伝えた。「業界の実情も訴え、9割以上の小売店から理解してもらえた」(食料部)という。
一方、大手スーパーのイオンは卸価格の値上げに応じず、メーカーと交渉を続けている。同社は「価格を上げる理由が、消費者には分かりにくい。生産コストを下げるなどメーカーの努力が必要だ」と指摘する。
岩手県内で酒販チェーン「タストヴァン」を経営するマルイチ(盛岡市)は2月から価格を上げる予定。同社仕入れの卸売価格は一缶10円前後高くなるが、「イオンの交渉状況や価格を踏まえ、赤字にならないぎりぎりの店頭価格を設定したい」としている。
(河北新報) - 1月26日7時3分更新
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