2005年01月26日(水) 15時04分
「振り込め」100億?荒稼ぎ、組員らに逮捕状(読売新聞)
指定暴力団住吉会系の組員らのグループが、少年らを使って組織的に振り込め詐欺を繰り返していた疑いが強まったとして、警視庁と大分、山口両県警の合同捜査本部は26日、少年2人を含む8人を詐欺などの疑いで逮捕、暴力団事務所や犯行拠点など十数か所の一斉捜索を始めた。
ほかに組員ら6人の逮捕状を用意しており、容疑が固まり次第、逮捕する。このグループは、架空の電話をかける犯行拠点を「店」と呼んでおり、首都圏を中心に100か所近くの「店」を運営していた。2003年ごろから振り込め詐欺を始めたといい、だまし取った総額は100億円に上るとみられる。
捜査本部では、すでに同グループのメンバーで、だまし取った金を銀行から引き出すなどしていた別の少年ら14人を逮捕している。
調べによると、同グループは昨年5月ごろ、東京都豊島区内の事務所から、沖縄県の50歳代の女性方に電話をかけ、「息子さんに金を貸している。返さないと息子を売り飛ばす」などと偽り、120万円をだまし取った疑い。
これまでの調べによると、同グループは、電話をかけさせる実行役として、暴走族や不良グループのメンバーを勧誘、短期賃貸マンションやビルの一室を借りるなどして、拠点となる「店」の数を増やしていったという。現在は、100か所近くの「店」を約10か所ごとに分け、各店舗グループごとに「BB」「JJ」などの通称名を付けて管理していた。
各グループには、グループ長、グループ番頭、店長、番頭、社員らと呼ばれる格付けがあり、実績に応じて昇格させていた。暴力団組員らは、グループ長を束ね、資金なども集約していたとみられる。グループ長には、住吉会のほか、山口組系の組員もいた。
これら店舗グループのほかに、不正口座調達グループ、事務所契約グループなどもあった。
また、店長らには毎月1000万円の売り上げのノルマを課しており、ノルマを達成出来ないと、暴行を加えていたという。
捜査本部では、グループがだまし取った金は、暴力団の資金源になっていた疑いが強いとみて、資金の流れを追及する。
◆振り込め詐欺=昨年1—11月の全国の被害は2万3060件(既遂は1万7895件)、被害総額は251億6300万円に上る。このうち容疑者逮捕に結びついたのは1222件で、検挙率はわずか5・3%。最近は、本人を装う「おれおれ」型が減る分、誘拐を偽装した恐喝や架空請求詐欺が増加している。
(読売新聞) - 1月26日15時4分更新
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