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2005年01月26日(水) 17時21分

スクランブル:「融資保証詐欺」急増 「融資するには保険料が必要」 /広島毎日新聞

 ◇多重債務者、不審に思いつつ入金−−「わらにもすがりたく…」
 融資を申し込んだ多重債務者らから「事前に、信用するための金が必要」などとして、現金をだまし取る「融資保証詐欺」が急増している。県警生活安全企画課によると、昨年1年で被害届が379件(既遂)あり、被害額は約3億円に上る。昨年1〜3月の被害額は約280万〜500万円だったが、同12月には5270万円を記録した。被害に遭った広島市内の50代の男性から、わなに落ちた経緯を聞いた。【吉川雄策】
 「『7社から350万円借りて月々13万5千円の返済』が『(当社なら)7万9千円で4年で完済』」——。そう書いたはがきが昨年10月ごろ、この男性宅に届いた。はがきにあった社名とロゴマークは、都市銀行のものと似ていた。
 男性は、大手消費者金融会社など4社から約700万円の借金がある多重債務者で、別の金融会社から借りて自転車操業の返済を続けていた。「自分は母子家庭で苦労した。子どもには苦労させたくない」と、約2年前から生活費や娘2人の学費などのために融資を受け、借金が雪だるま式に増えたという。タクシー運転手をしているが、不況もあり、給料では返済が追いつかない。
 思案に暮れた今月中旬、取っていたはがきを取り出し、そこに書かれた電話先にダイヤルした。電話に出た男は「融資するには保険料が必要」と話した。「危険かも」と思い、いったんは電話を切った。だが翌日、またかけた。保険料約15万円の振り込みを指示された口座は、個人名で不審に思った。それでも、消費者金融から借りた金を入金してしまった。
 結局、融資は受けられなかった。電話で催促すると、別の男が言い逃れをした。続けて、「4カ月分の返済代金を先に入金すれば本当に信用し、融資額とともにすぐに返す」と言った。「間違いない」と強調され、翌日に約28万円を入金したが、またも融資はなかった。電話で返金を求めた。すると、「キャンセル料10万円を払え」という。信じるのをやめた。
 男性は、はがきに書かれた住所に金の返済を求める内容証明郵便を送った。3日後、郵便はあて名不明で戻ってきた。ようやく、県警に被害届を提出した。
 男性は「弱い者から金を搾り取ろうとする犯人は許せない。わらにもすがる気持ちだったのに」と泣きながら話した。4月に娘2人が独立すれば、自己破産や妻との離婚も考えているという。
 同課の梶原恒志・減らそう犯罪情報官は「融資保証詐欺は、多重債務者が長期間にわたって金をだまし取られるケースが多い。必死の思いはあるにしても、まずは警察など公的な相談機関に相談を」と呼びかけている。

1月26日朝刊
(毎日新聞) - 1月26日17時21分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050126-00000280-mailo-l34