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2005年01月24日(月) 03時04分

<公証人>6割がミス 金銭貸借で多数発覚毎日新聞

 公正証書の作成などを業務とする公証人の約6割が03年、監督する法務省から、業務上のミスを指摘されていたことが、弁護士らが作る「公正証書問題対策会議」の情報公開請求で分かった。公正証書をめぐっては大手商工ローン業者が債務者らの公正証書作成の委任状を無断で複写作成しているとしてトラブルが急増しているが、今回金銭貸借の公正証書に関するミスも多数発覚。弁護士らは「公証人のチェックが甘い実態が裏付けられた」と指摘している。
 同会議が昨年8月、法務省に情報公開請求。各地方法務局長名で作成された03年分の「公証役場検閲報告書」が公開され、分析を進めていた。
 分析結果によると、全国552人の公証人のうち59.4%に当たる328人が何らかのミスの指摘を受けていた。ミスは1126件で、うち672件が公正証書作成の関連。委任状に関するミスも145件あった。
 金銭貸借の公正証書に関しては、債権額が違っていたり、委任状の内容と支払い方法が違っていたものがあった。公正証書は、確定判決と同じ効力があり、高利貸業者が差し押さえに使えるため、弁護士らは「金額の間違いは軽率では済まされない」と話す。
 債務者の委任状に押された印影と印鑑証明の印影が一致しないと指摘されたケースもあった。委任状の無断作成をめぐるトラブルについて、日本公証人連合会は「印影をきちんとチェックすれば、依頼者本人からの委任の意思確認は必要ない」としているが、そのチェックさえ不十分な実態が明らかになった。
 地方法務局による立ち入り調査は年1回実施されるが、1日で完了するうえ、抽出して原簿の一部しかチェックしない。このため、同会議は「実際のミスはもっと多いとみられる。公正証書作成手続きの抜本的な改善が急務だ」と訴えている。
 日本弁護士連合会は、公正証書をめぐるトラブルが社会問題化しているのを受け、作成に当たっての当事者本人の意思確認などが必要だとする見解を近くまとめる予定。【伊藤正志】
(毎日新聞) - 1月24日3時4分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050124-00000005-mai-soci