2005年01月24日(月) 21時26分
ますます悪質になるフィッシング現状が明らかに 金融機関にターゲット絞る(MYCOM PC WEB)
フィッシング対策の業界団体となるAnti-Phishing Working Group(APWG)は、フィッシング詐欺の現状などを調査するレポート「Phishing Activity Trends Report」最新版の発表を行った。増え続ける詐欺行為と、より悪質になる手口などの実態も明らかになっている。
同レポートは、米Tumbleweed Communicationsおよび米Websenseが昨年12月に実施した調査に基づくとされ、インターネット上で1カ月間に発見されたフィッシングサイトの数を1,707と報告している。これは前月比で約10%の増加とされており、3カ月前の昨年9月に計測された546のサイト数と比較すると、3倍以上に急増している様子が示されている。フィッシング詐欺に用いられるサイトは、平均して5.9日で姿を消すとのデータが出されたものの、中にはオンラインで30日も継続して使用されたサイトもあったという。
また、フィッシングの偽装サイトへ悪用された企業名などの数は、昨年12月は55に上ったとされており、そのうち85%は金融機関がターゲットとなっているようだ。フィッシングサイトの8割が、わずか7つの企業名に絞られる傾向も見られているという。同調査が開始された昨年11月より、フィッシングで詐称された企業名の数は、合計131に達したとされている。一方、フィッシングサイトのホスティング国の状況に目立った変化は見られておらず、トップの米国、中国・台湾・香港の中国語圏、韓国、日本、ドイツ、フランス、ブラジル、ルーマニア、カナダ、インドの順に続いているという。
今回のレポートでは、偽装されたフィッシングサイトへ誘い込む目的で送信される、9,019種類にまで増加したフィッシングメールの数もさることながら、より巧妙さを増した手口への警告も発せられている。ブラウザの脆弱性を突いて、ユーザーの気づかない間に悪質なコードを実行して個人情報を盗み出し、フィッシング詐欺を働くなどのケースも数多く観察されているようで、改めて厳重な警戒を促している。
(湯木進悟)
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http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/01/24/006.html
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APWG
http://www.antiphishing.org/
(MYCOM PC WEB) - 1月24日21時26分更新
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