2005年01月21日(金) 16時28分
<警察不正>「負けたら死ぬ覚悟」現職警官が手口証言(毎日新聞)
愛媛県警の捜査費不正支出問題で、ついに現職警察官が全国で初めてカメラとマイクの前に立った。会見した県警鉄道警察隊の仙波敏郎巡査部長(55)は“不正の手口”や“公表への圧力”を詳細に証言した。これに対し、県警は会見内容を聞いていないとしてコメントを避けたが、大洲署だけとしてきた不正支出問題は、新しい局面を迎える可能性が出てきた。会見の主な一問一答は次の通り。【津久井達】
◇「君は昇進試験に受からん」
今回証言しようと思ったのはなぜか。
——正義感からだ。特別監査で何かが明らかになるかと期待したが、そうならなかった。最後のチャンスだと思った。
県警からの圧力はあったか。
——昨日もそうだし、何度も引き止められた。県警幹部から「お前が会見したら、県警は1年間は立ち上がれなくなる」と言われた。だが、問題にフタをしたら、一生立ち上がれないと思った。
95年以降も偽造領収書は作られているのか。
——私は(偽造領収書にかかわることを)要求されなくなったので、確認できないが、その後もあったと思う。
今後の身の振り方は。
——あと4年たてば定年を迎える。「圧力に負けたら死ぬ」くらいの覚悟で臨まないと、この席にはいられない。
捜査協力者は実際に存在するのか。
——存在しない。組織の情報を告発する人が金をせびるはずがない。
偽造領収書作りを拒否したことで、差別を受けたことはなかったか。
——警部補への昇進試験を受けた際、当時の署長に「偽造領収書を書いていないので、君は受からんよ」と言われた。
偽造領収書は警察官全員が書いているのか。
——95年までは、私以外に一人、偽造領収書作りを拒否している人間がいた。偽造領収書作りにかかわらないと、昇進できないので、ほとんどがやっていたと思う。
他にも裏金作りの方法はあったのか。
——各署の会計課が署員の印鑑を保管し、口座を作り、架空の旅費を請求・ねん出して裏金を作っていた。
(毎日新聞) - 1月21日16時28分更新
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