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2005年01月20日(木) 02時28分

<スキミング>ゴルフ場支配人ら逮捕 窃盗団、暗証番号入手毎日新聞

 ゴルフ場などでキャッシュカードがスキミングされ多額の現金が引き出された事件で、警視庁、神奈川県警などは19日夜、群馬県富岡市黒川、ゴルフ場「レイクウッドゴルフクラブ富岡コース」支配人、遠山秀樹容疑者(51)、スキミング実行役の男(34)ら3人を窃盗、不正作出支払用カード電磁的記録供用容疑などで新たに逮捕した。同庁は遠山容疑者が貴重品ボックスのマスターキーを窃盗グループに提供し、合鍵を作らせていたとみている。
 同庁は窃盗グループの計十数人が03年11月から、関東地方の同系列のゴルフ場を中心に少なくとも約150件のスキミングを繰り返し、関東や関西のATM(現金自動受払機)で約3億円を引き出したとみて全容解明を進める。
 逮捕されたのは、横浜市中区本牧原、無職、藤原高広(33)▽埼玉県岩槻市本丸3、同、鈴木順雄(32)ら7容疑者で、中国人も1人含まれている。
 調べでは、藤原容疑者らは昨年3月1日未明、東京都港区のコンビニエンスストアのATMで、偽造キャッシュカードを使って東京都江戸川区の会社役員の男性(49)の口座から現金約80万円を引き出すなど、3人から計380万円を盗んだ疑い。グループは神奈川県内の二つのゴルフ場で、貴重品ボックスに保管されたカードを一時的に持ち出し、わずか3分程度で磁気データをスキミングしたうえ、盗難カードに個人情報を入力して偽造カードを作っていたという。
 これらのゴルフ場は富岡コースの系列で、貴重品ボックスはいずれも同じメーカーの製品だった。マスターキーは通常、利用者が暗証番号を忘れた場合などに備え、鍵穴に差し込むと使用中の貴重品ボックスすべての暗証番号が紙に印字されたり画面に表示される。遠山容疑者は富岡コースのマスターキーだけでなく、神奈川県内のコースのマスターキーも所持していた。「グループに渡した。藤原容疑者に貸していた400万円を回収したかった」と供述し、容疑を認めている。
 グループは、貴重品ボックスの利用者が暗証番号を記憶しやすいようにキャッシュカードと同じ暗証番号を使うケースが多いことを悪用していた。【長谷川豊、宮川裕章、鈴木泰広】
    ◇
 捜査本部は19日、事件に使われたマスターキーの合鍵15本▽カードの磁気データを読み取るハンディスキマー2台▽偽造カードを作るノート型パソコン▽カード型カメラ——などを押収した。キーを使わない場合はカメラを貴重品ボックスに設置し、暗証番号を打ち込む様子を撮影して画像を別の場所にある受信機に送信していたという。【川上晃弘】
 ◇キー管理を徹底するしかない ゴルフ場支配人会連合会
 「レイクウッドゴルフクラブ富岡コース」では、支配人の遠山容疑者と部下の幹部3人の計4人が、それぞれ貴重品ボックスのマスターキーを所持していた。
 遠山容疑者は約6年前に神奈川県内の系列コースから富岡コースに移り、支配人になった。富岡コースの貴重品ボックス前には、支配人名で「貴重品は必ず貴重品BOXをご利用ください」と勧める看板があり、ボックスには「暗証番号の盗用による場合、損害の責任は負わない」と書かれたプレートも掲げていた。
 全国のゴルフ場では、小型カメラで暗証番号を盗み見られる手口を主に想定してきたが、支配人が協力したら防ぎようがない。「日本ゴルフ場支配人会連合会」は「キーの管理を徹底するよう話し合っていくしかない」と困惑する。
 一方、約3000万円の銀行預金を引き出され、銀行に預金返還を求めて昨年12月に提訴した東京都江戸川区の男性会社員(49)は「マスターキーを悪用していたことで、自分に落ち度がなかったことは明らか。銀行は補償すべきだ」と話した。【宮川裕章、鈴木泰広、堀川剛護】
(毎日新聞) - 1月20日2時28分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050120-00000006-mai-soci