2005年01月19日(水) 10時14分
難民クルド人親子 トルコへ強制送還される(毎日新聞)
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父親の収容に対し厳しい表情で会見するクルド人家族の長女(中央)ら=18日、坂本高志写す |
難民と認定しない日本政府に抗議し、東京都内の国連大学ビル前に座り込んだトルコ国籍のクルド人2家族のうち、アハメット・カザンキランさん(49)とその長男(20)が18日、法務省入国管理局によりトルコへ強制送還された。カザンキランさんは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)から難民と認められたいわゆるマンデート難民で、2家族の弁護団は会見で「国際的に非難される異常な行為だ」と批判した。
法務省は「日本とUNHCRの難民認定は目的や対象が違い、(認定)結果が異なることはある。マンデート難民だからといって、強制送還されないわけではない」と説明している。
カザンキランさんは難民不認定の取り消しを求めて提訴し、1審・東京地裁は請求を認めたが、控訴審で逆転敗訴(03年5月)し確定。東京入国管理局は17日、カザンキランさんと長男の仮放免更新を認めず再収容していた。
妻や長女、支援者らには、再収容への抗議会見のさなかに強制送還の事実が伝わった。長女らは「どうしてこれほどひどい扱いをするのか」と号泣。弁護団は「妻ら5人の仮放免更新も近づいており、彼らも強制送還するのではないか。トルコでは迫害される可能性が高い」と話した。【坂本高志】
(毎日新聞) - 1月19日10時14分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050119-00000009-maip-soci