2005年01月19日(水) 17時34分
スキミング 強制捜査に着手、逮捕状の7人を逮捕 警視庁(毎日新聞)
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群馬県内のゴルフ場に捜索に入る捜査員=19日午前9時42分、鈴木泰広写す |
ゴルフ場などでキャッシュカードが「スキミング」され多額の現金が引き出された事件で、警視庁捜査3課などは19日朝、群馬県内のゴルフ場や窃盗グループの関係先など十数カ所を一斉に家宅捜索、強制捜査に着手した。同課は、横浜市内の無職の男(33)ら窃盗容疑などで逮捕状を取ったグループ9人の取り調べを順次始め、既に7人を逮捕した。特定のゴルフ場の貴重品用ロッカーに保管していたカードが被害に遭うケースが多いことから、同課はゴルフ場関係者が関与した可能性もあるとみて関係者らから任意で事情を聴き、慎重に捜査を進める。
同課などの調べでは、グループが関わったとみられるスキミング事件の被害は少なくとも3億円に上り、群馬県内のゴルフ場の系列コースでの被害が目立つ。ほとんどの被害者は、貴重品用ロッカーとキャッシュカードの暗証番号を同じにしており、グループはロッカーの暗証番号を盗み見て現金の引き出しに使ったとみられる。ATM(現金自動受払機)から現金を引き出す際は、間違わずに1回で暗証番号を入力していたという。
ゴルフ場の貴重品ロッカーは通常、フロントから監視しやすい場所に設置されている。しかし窃盗グループは、事前に小型ビデオカメラを設置して中継画像で暗証番号を確認していたほか、暗証番号を忘れた利用客のために事務所で管理している機械を悪用した疑いももたれている。同課は、ゴルフ場関係者が何らかの関与をした可能性についても追及する。関係者は事情聴取に対し「おれは関係ない」などと話しているという。
調べでは、窃盗グループは昨年3月ごろ、東京都内の男性のキャッシュカードをスキミングし、違法に写し取ったデータでカードを偽造したうえ、港区内のコンビニエンスストアのATMなどで、数回にわたって現金数百万円を引き出した疑いなどがもたれている。この男性も系列ゴルフ場でスキミングしたとみられる。【長谷川豊、宮川裕章、鈴木泰広】
群馬県内のゴルフ場には19日午前9時半、捜査員の乗った車が到着。客に紛れるように普段着姿の捜査員約20人がクラブハウスに入り、家宅捜索を開始した。
ゴルフ場は、この日も他県ナンバーの車が何台も訪れ、平常営業。男性従業員は「何があるんですか」と不安げな表情だった。貴重品用ロッカーには「暗証番号が盗用された場合、ゴルフ場は責任は負わない」などの掲示があった。【鈴木泰広、川上晃弘】
(毎日新聞) - 1月19日17時34分更新
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