2005年01月19日(水) 03時02分
<スキミング>窃盗団逮捕へ、ゴルフ場で情報入手 警視庁(毎日新聞)
ゴルフ場などでキャッシュカードの磁気データを特殊機器で読み取る「スキミング」という手法で個人情報を写し取り、偽造カードでATM(現金自動受払機)から多額の現金を引き出していたとして、警視庁捜査3課などは中国人を含む9人について、窃盗と支払い用カード電磁的記録不正作出・供用容疑で逮捕状を取った。19日にも逮捕する。同種の事件は続発しており、同課は、ゴルフ場や窃盗グループの関係先などを家宅捜索し、スキミングの手口や盗んだ金の流れなど全容解明を目指す。キャッシュカードのスキミングでの逮捕は、全国初となる。
調べでは、9人は昨年3月ごろ、東京都江戸川区内の男性のキャッシュカードのスキミングを行い、写し取ったデータで偽造したカードを使い、港区内のコンビニエンスストアのATMなどで数回にわたり現金数百万円を引き出した疑いなどがもたれている。男性は数日後、通帳に記帳した際に被害に気付いた。
グループは、関東地方のゴルフ場で、男性が貴重品用ロッカーにカードを保管してプレー中にスキミングをしたとみられる。男性がキャッシュカード使用の際と同じ暗証番号を押してロッカーを開閉する様子を、あらかじめ設置した小型ビデオカメラなどで確認。盗んだカードの磁気データを特殊な機械を使って別のカードに短時間で移し変えてから、ロッカーにカードを戻したとみられる。ゴルフ場などのロッカーとキャッシュカードの暗証番号を同一にする人が多いことを悪用した。同課は、グループが首都圏で同様手口の犯行を重ねていたとみて、各県警と合同で捜査していた。
サインで商品を購入するクレジットカードと比べ、キャッシュカードは暗証番号が必要なことから、これまでスキミング被害は表面化しにくかった。銀行側は「暗証番号の管理は預金者の責任」として、責任を否定していた。しかし、全国銀行協会によると、同様の被害が▽01年度1件(被害総額1900万円)▽02年度4件(同1200万円)▽03年度91件(2億7200万円)——と増加。04年度は上半期だけで122件(4億6100万円)の被害が出た。
被害者の損害が回復されないケースが多く、銀行の対応の不備が国会でも問題になった。金融庁は銀行法を改正して金融機関に被害者救済を義務付ける方向で検討している。【長谷川豊、宮川裕章、鈴木泰広】
(毎日新聞) - 1月19日3時2分更新
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