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2005年01月19日(水) 00時00分

カードスキミング 大規模偽造団を摘発へ 東京新聞

 ゴルフ場のクラブハウスの貴重品ロッカーからキャッシュカードを盗み、「スキミング」という手口で読み取った磁気情報を基にカードを偽造し現金を引き出していたとして、警視庁と神奈川、埼玉、千葉県警などは窃盗容疑などで日本人と中国人ら九人の逮捕状を用意、十九日にも摘発に乗り出す。捜査当局は、関東を中心に全国で約三億円の被害を確認。総額で十億円を超える可能性もあるとみて、全容解明を急ぐ。

 調べでは、犯行グループは昨年、神奈川県や群馬県のゴルフ場で、東京都江戸川区の五十代の会社役員ら三人のキャッシュカードを盗み、スキミングで偽造したカードを使って、都内の現金自動預払機(ATM)で計数百万円を引き出すなどした疑い。

 このグループは暴力団組員ら二十人前後とみられ、キャッシュカード盗やスキミング、偽造カードによる預金引き出しなど役割を分担。クラブハウスで、ロッカーの暗証番号の入力画面付近に超小型カメラを隠し、近くの車内などで無線で映像を受信。利用者がプレー中に、盗撮した暗証番号でロッカーからキャッシュカードを盗んでいた。

 グループはクラブハウスのトイレなどで、スキマーと呼ばれる機器で盗んだカードの磁気情報を読み取り、別人のカードに転写。貴重品ロッカーとカードの暗証番号が同じケースが多いことに目を付け、偽造したカードを使ってATMで現金を引き出していた。

 被害者が盗難に気づかないよう犯人がカードをロッカーに戻すため、約二千万円を引き出されたケースもあるという。

 全国銀行協会によると、偽造キャッシュカードを使った預金引き出しの被害は、二〇〇二年度に千二百万円だったが、本年度は昨年九月までの半年で既に四億六千万円に上った。銀行は原則として被害を補償せず、預金者の救済が緊急の課題になっている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050119/mng_____sya_____006.shtml