2005年01月19日(水) 14時52分
カード偽造団7人逮捕、ゴルフ場関係者も関与か(読売新聞)
銀行のキャッシュカードの磁気データを読み取る「スキミング」で偽造カードを作り、他人の預金を勝手に引き出していたとして、警視庁や神奈川県警などの合同捜査本部は19日、暴力団周辺者や中国人らのグループのうち主犯格と見られる男を含む7人を窃盗容疑などで逮捕した。
ゴルフ場関係者が犯行に関与した疑いも浮上し、捜査本部は群馬県内のゴルフ場を捜索、関係者から事情を聞いている。
捜索を受けたのは、「レイクウッドゴルフクラブ富岡コース」(群馬県富岡市)。
グループは昨年春ごろから、同ゴルフクラブなど複数のゴルフ場のロッカーに設置した隠しカメラで、ロッカーのかぎの暗証番号を盗撮した上、ロッカーから利用客のキャッシュカードを盗みだし、そのデータをスキミングして偽造カードを作製、現金自動預け払い機(ATM)から預金を引き出した疑いが持たれている。グループは、ゴルフ場の利用客が、ロッカーの4けたの暗証番号を、キャッシュカードと同じ数字に設定するケースが多いことに目を付け、犯行を繰り返していた。
捜査本部は、ATMの防犯カメラに記録された映像などから、偽造キャッシュカードを使って預金を引き出していた数人の男を割り出し、窃盗容疑などで逮捕して調べたところ、偽造グループの存在が浮上した。
グループの主犯格は、横浜市内の男とみられ、メンバーは、スキミング役や預金の引き出し役などに役割が分かれていた。スキミング役は犯行の発覚を遅らせるため、盗み出したカードを再びロッカーに戻していたとみられる。
主犯格とみられる男は、神奈川県に拠点を置く広域暴力団の組員らと頻繁に接触していたことが確認されており、捜査本部は、引き出された預金の一部が暴力団の資金源になっていた可能性もあるとみている。
全国銀行協会によると、偽造キャッシュカードによるとみられる預金引き出し事件の被害は、2004年度上半期(4—9月)だけで122件、4億6100万円。2003年度の91件、2億7200万円の2倍近くに急増していた。
◆スキミング=キャッシュカードなどの磁気データを、「スキマー」などと呼ばれる専用機器で盗み取る行為。「すくい取る」という意味の英語「SKIM」から転じた。データの入っていない「生カード」などに、盗み取ったデータを入力して偽造カードを製造する。クレジットカードの偽造防止対策が進む一方で、一昨年ごろから偽造キャッシュカードの被害が急増している。
(読売新聞) - 1月19日14時52分更新
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