悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年01月18日(火) 00時00分

大量出品者「ドロン」 ヤフーオークション朝日新聞・

 国内最大の競売サイト「ヤフーオークション」で、高額商品を多数出したように装い、落札者に入金させた末に行方不明になる被害が相次いでいる。昨年末には、高級デジタルカメラなど1千数百点を出した出品者が、入金後に行方をくらました。商品が届かない被害者は、わかっているだけで県内はじめ、全国に約170人おり、被害額は4千万円近くになるとみられる。

 ヤフーによると、出品者の評価制度を悪用する新たな手口で、昨夏ごろから出始めた。同社は、金融機関と、問題のある出品者の振り込み口座を凍結するなどの検討を始めた。

 ヤフーオークションの出品数は数百万点。参加するには、住所や氏名、クレジットカードの番号などを登録し、ヤフーの承認を得なければならない。店舗より安く買えたり、希少品が出品されたりすることから、広く利用されている。

 長岡市のフリーカメラマンの男性(31)は、昨年12月8日、市場価格が約15万円の高級デジタルカメラを10万6千円で落札し、翌日、指定された銀行口座に振り込んだ。「入金を確認した後に注文するため、商品の発送は約4週間後」となっていた。4回メールをやりとりして、同月28日の発送と決まった。

 ヤフーには、オークションの信用を高めるため、出品者と落札者が取引ごとに「評価」を付け合い、内容をネットで公開する制度がある。男性も入札前、「評価」を確認していた。この出品者は昨年9月末からの2カ月間で約150の実績があった。「わがままを聞いてくれた」「迅速な対応で非常に満足」など好評ばかりが並んでいた。

 男性はオークションを始めて約2年。悪い評価が一つでもある出品者とは、取引しないようにしてきた。昨秋からカメラマンを始めたばかりで、デジカメが必要だった。

 販売した出品者は40代の男性で、千葉県流山市に住所があった。発送予定の前日まで、メールや電話で質問に答えていたが、発送日から不通になった。千葉県警流山署には、今月になって約30件の相談が寄せられている。同署が住所地を確認したところ、出品者と見られる人物は数カ月前に部屋を引き払っていた。

 落札者らは被害者の会を結成。すでに約170人が登録した。長岡市の男性も入会。今月初めには長岡署に相談し、被害届を出す準備を進めている。「発送までの期間が長いので不安はあったが、メールのやりとりは頻繁で、悪い評価も見あたらなかった。発送予定日になって、他の落札者にも送られてないとわかり、『やられた』と思った」と話した。

 ヤフーは、被害報告が増え始めた今月初め、「再び出品されると、被害が拡大する恐れがある」として、この出品者の登録を削除した。

 被害者の会の中心メンバーで、静岡県三島市の会社員(28)は、「落札者の評価が今回、逆手にとられた形だ。同じような手口で、新たな被害が出ないように会を通じて訴えたい」と語った。(1/18)

http://mytown.asahi.com/niigata/news02.asp?kiji=6943