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国内最大規模の「ヤフー・オークション」で、昨年末から「デジタルカメラの購入代金を振り込んだのに品物が届かない」という被害が相次いでいる。被害は全国で約300人、2000万円を超えるとみられ、全国各地の利用者が「被害者の会」を結成。被害届を受理した愛知県警などが詐欺容疑で捜査を始めた。
被害者らによると、訴えが相次いでいるのは「dvdgekiyasu」という会員IDの出品者が売り出した小型デジタルカメラ。市場価格が3万〜5万円の機種を1万〜1万5000円割り引いた価格帯で、毎月数千台出していたという。
出品者は、競り落とした利用者にメールで銀行口座と自分の携帯電話番号を伝えて代金を振り込ませていた。昨年11月以降、オークションのホームページに「商品が届かない」「出品者と連絡がつかない」といった苦情が次々に寄せられるようになった。
昨年末、被害に遭った名古屋市の会社役員(27)らが中心になり、東京、大阪、神奈川、京都など各地の被害者らと会を結成。ネットで情報提供を求めたところ、約290人から被害報告があったという。
被害者の会は、ヤフー株式会社(東京都)にも防止策を講じるよう求める方針だが、ヤフー側は「(出品と購入の)自由度の高さがインターネット・オークション市場の特性」「被害防止は、利用者の自己責任が前提だ」として、慎重な利用を呼びかけるにとどまっている。
愛知県警によると、昨年1年間にインターネット・オークションに絡む詐欺被害の届け出は約900件、金額で約8200万円に上り、03年の522件、約5300万円を大幅に上回った。振込先の口座や携帯電話の番号が分かっても、偽造保険証などを使って開設されているケースが多く、本当の連絡先にたどりつくのは困難という。
ヤフー・オークションをめぐっては、千葉県警が12日、男女3人を詐欺容疑で逮捕した。デジカメ代金をだまし取る手口は似ているが、出品者IDやデジカメの価格帯などが異なることから、被害者の会は、別の犯人による犯行の可能性が高いとみている。
(2005/01/17)