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税務署が公示した高額納税者を狙い、振り込め詐欺をしたとして、警視庁は山口組旧五菱会系ヤミ金融組織の元従業員黒川俊史容疑者（２８）＝東京都品川区西大井２丁目＝ら３人を詐欺の疑いで逮捕したと１７日発表した。昨年の高額納税者少なくとも数百人分の住所や電話番号が掲載された名簿が押収され、警視庁は３人が全国の高所得者を狙って詐欺を繰り返したとみて調べている。
３人の関係先からは名簿に加え、台本仕立てになった振り込め詐欺の手引が押収された。手引には「メモの用意はよろしいですか」というせりふの合間に「後ろからパトカーの効果音」「ここで被害者の親族役と代わる」「雑音のＣＤをかける」などといったト書きまであった。詐欺の被害にあった人は「事故現場のような臨場感があり、だまされてしまった」と話している。高額納税者の名簿は、名簿業者から購入したという。
捜査２課と大森署の調べでは、黒川容疑者らは昨年９月と１０月、岡山県の主婦（６１）と岐阜県の主婦（６９）の自宅に警官を装って電話し、「ご主人が追突事故を起こし、相手の車に乗っていた子供が救急車で運ばれた。ご主人は示談を望んでいる」などとうそを言い、計６４０万円を銀行口座に振り込ませて詐取した疑い。３人のうち１人は容疑を認め、黒川容疑者ら２人は黙秘や否認をしているという。
(01/17 23:12)