2005年01月16日(日) 10時01分
著作権の紛争処理、弁理士に仲裁の代理人業務を開放へ(読売新聞)
経済産業省・特許庁は15日、音楽や映画などの著作権侵害をめぐる裁判以外の紛争処理で、弁理士が新たに仲裁の代理人業務を行えるよう、弁理士法を改正する方針を固めた。
知的財産権に関する紛争は増加しており、著作権に詳しい弁理士にも調整権限を与えることで、迅速な紛争解決を目指す。今月開会する通常国会に同法の改正案を提出する。
弁理士は特許紛争などでは代理人業務が認められていたが、著作権では相談業務などに限られており、改正案は調停、あっせんの権限を与えることを明記する。
知的財産権での紛争処理機関は、裁判所の判断を仰ぐ以外に、「日本知的財産仲裁センター」(東京)と、日本商工会議所が設立母体の「日本商事仲裁協会」がある。これらの機関を利用した場合、当事者の代理人が紛争の調整を担ったうえで、同機関の判断を仰ぐことになるが、著作権紛争の代理人業務は弁護士に限られていた。
しかし、これまで紛争件数が多い出版物に加え、音楽やゲームソフトなどの普及で著作権をめぐる紛争の増加が予想される。このため、著作権に詳しい弁理士に代理人業務を開放することで、スムーズに紛争を処理し、個人や企業の利便性向上を図る。
◆弁理士=知的財産権のうち、主に特許、実用新案、商標などの工業所有権の取得や、それらの権利を巡る紛争処理など、弁理士法で規定された業務を手がけている。2002年の法改正で、工業所有権の権利侵害訴訟に限り、弁護士と同様に法廷で代理人を務めることができるようになるなど、業務分野が拡大している。2004年8月現在で約6000人が登録されている。
(読売新聞) - 1月16日10時1分更新
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