2005年01月15日(土) 00時00分
PHSのついたランドセル登場PHSとセットになったランドセル=長崎市浜町で(朝日新聞・)
春の新入学シーズンを前に、ランドセル商戦が本格化してきた。子どもが傷つけられる事件が相次ぐ世相を反映してか、居場所のわかるPHS付きタイプも登場。わが子や孫の安全を守りたいという人たちの問い合わせが続いている。
長崎市浜町の石丸文行堂は、昨秋に発売されたPHS付きの取り扱いを始めた。子どもが背負うと、ちょうど胸の位置にくるPHSは通話できる相手が2件だけ。でも、ボタンを押すと基地局の情報が発信され、現在地を携帯電話やパソコンに知らせる。子どもの居場所を簡単に把握できるシステムだ。ストラップを引っ張ると防犯ブザーにもなる。
本体は赤、黒の2色でセット価格は3万6750〜4万8300円。毎月約2千円のPHS基本料金のほか、通話料も必要になる。それでも、03年の長崎市・園児誘拐殺害事件、昨年の佐世保市・同級生殺害事件の後も子どもの安全が脅かされる出来事が続いたこともあって保護者の関心は高い。担当者は「おめでたい時に勧めるのは寂しい気もしますが」。
企画したヴァーゴウェーブ(東京)の岩本昭典社長(39)は「子どもの安心、安全を考えるのが当たり前の世の中になっている。小学校入学は子どもが親から離れる機会。その象徴ともいえるランドセルで安全のために何かできないかと考えた」と話している。
長崎市愛宕3丁目の萩之内容子さん(70)は、東京都調布市の孫娘に贈るランドセルを選びに来た。「使いやすそうな物を一番に考えています。やはり登下校の安全は気になりますね」
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石丸文行堂は形や色別に約100種を用意。3万5千〜4万円が売れ筋で、男の子は黒が売り上げの9割を占め、女の子は赤が約7割で、最近はピンクの人気が高いという。背中の部分に衝撃吸収に優れたクッションを使ったものや、皮からラベンターの香りがするリラックスタイプもある。
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http://mytown.asahi.com/nagasaki/news01.asp?kiji=4481
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