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ビラを配るためにマンションに侵入したとして東京地検は11日、東京都葛飾区に住む共産党支持者の男性(57)を住居侵入罪で起訴した。昨年12月23日に逮捕され、20日間にわたって身柄を拘束されている。地検は「各戸の玄関前まで立ち入ったことや反省がないことなどを考慮し、違法性があると判断した」などと起訴した理由を説明している。弁護側は「罪は成立しない。ビラ配りという表現手段を抹殺する不当な起訴だ」と反発している。
起訴状や調べによると、男性は12月23日午後2時過ぎ、葛飾区亀有2丁目の7階建てマンションで、共産党が作った「都議会報告」や「区議団だより」などのビラを各戸に配るため、玄関前まで侵入したとされる。住民が取り押さえ、通報で駆けつけた警察官に引き渡した。
マンションの入り口には「チラシなどの投函は固く禁じます」と記載した張り紙があった。オートロックではなく、管理人室があるが、当時は不在だった。調べに対して男性は事実関係については認めたうえで「違法ではない」と供述しているという。
地検は「個人の私的な領域を知られたくないという国民が増え、セキュリティーの高さを理由にマンションを購入する人も多い。ピッキングなどの犯罪もあり、知らない人が玄関先にいれば不安を感じるのも当たり前だ」とし、起訴した理由の一つに男性を取り押さえた住民の被害者感情の強さを挙げた。そのうえで「政治活動の自由が認められるのは当然。ビラの内容は身柄拘束や起訴には関係がない」と説明している。
東京地裁は逮捕後の12月25日、男性の勾留(こうりゅう)を決定。弁護側は決定取り消しを求めて地裁に即日準抗告したが棄却された。地裁は今月2日、さらに10日間の勾留延長を決定し、これに対する準抗告も棄却されていた。
ビラ配りをめぐっては東京地裁八王子支部が12月16日、自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配るため東京都立川市の防衛庁官舎に立ち入り、住居侵入罪に問われた市民団体メンバー3人に無罪判決を言い渡した。東京地検八王子支部は東京高裁に控訴している。
(01/11 20:23)