2005年01月11日(火) 22時06分
<犯罪ほう助>銀行口座譲渡の男に110万円支払い命令(毎日新聞)
「紳士録商法」の被害に遭った静岡市の男性(78)が、詐欺で使われた口座を容疑者に譲渡した東京都内の男(35)に270万円の損害賠償を求めた訴訟で、静岡地裁(友重雅裕裁判官)は11日、「譲渡により詐欺の犯行が容易になっており、犯罪のほう助行為にあたる」として110万円の支払いを命じた。原告の弁護士は「振り込め詐欺などで譲渡した通帳が使われるケースが後を絶たず、譲渡者を犯罪のほう助者として認定した判決は画期的だ」と話している。
判決によると、男性は99年ごろに都内の場外馬券売り場で知り合った見知らぬ男に食事をごちそうされ、銀行口座の開設を頼まれた。男性は開設した口座の通帳や印鑑などを渡し、口座は00年に紳士録商法で使われた。男性は架空の紳士録から氏名を削除する名目で200万円をだまし取られた。原告の男性は03年に口座名義人のこの男性を割り出し、損害賠償を求めて提訴した。容疑者は逮捕されていない。
裁判では男性に賠償責任があるかが争点になり、被告側は「違法行為に口座が使われる認識は一切なかった」などと主張した。しかし、判決は「譲渡目的の口座開設は犯罪行為に利用される危険性があり、厳しく非難されるべきだ」と述べた。【古関俊樹】
(毎日新聞) - 1月11日22時6分更新
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