2005年01月10日(月) 00時00分
劇場型オレオレ詐欺 被害絶えず(朝日新聞・)
「劇場型」と呼ばれる新手のオレオレ詐欺事件が、県内でも目立ち始めている。家族が交通事故を起こしたとうそをつき、警察官や弁護士役が次々と電話口に現れ、示談金を振り込ませるなどの手口。看護師ら医療関係者の家族を狙った手口も発生しており、県警は注意を呼びかけている。
昨年10月中旬。熊本市内に住む50代の主婦は、一人で自宅にいるとき、「警察官」から電話を受けた。
「ご主人は○○さんですよね」。男は主婦に名前を確認し、「ご主人が交通事故を起こしました。事情聴取中で、電話にも出られません。ご主人が一方的に悪く、被害者の奥さんは妊娠中で破水してしまい、病院に運ばれました。示談できれば逮捕されません」と告げた。
主婦がパニックに陥っていると、今度は被害者の夫を名乗る男から電話がかかってきた。
「今から帝王切開します。すぐにお金が必要ですが、手術代の半分が用意できません。100万円を振り込んでほしい」。慌てた主婦は、指定された口座に現金を振りみ、お金をだまし取られたという。
県警によると、以前は『オレだよ、オレ』と孫や子供を装い、借金の返済の肩代わりを要求するなどの手口が多かったが、最近はこうした劇場型が増えている。
昨年12月には、医師や看護師の息子や娘を装い、医療ミスを口実に、お金の振り込みを要求する手口も発生。次々に、院長や弁護士役などが登場する手口は、交通事故の示談金名目のオレオレ詐欺と共通している。
県内の被害総額は昨年11月末で、一昨年同期の約3・3倍の約1億5千万円に達した。
県警は「警察が交通事故の示談を仲介することは100%ない。まずは慌てず事実関係を確認し、どんな口実にしても、慌てずお金を振り込まないことが大切」と話している。
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http://mytown.asahi.com/kumamoto/news02.asp?kiji=4114
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