2005年01月08日(土) 16時10分
業者ら4人逮捕 米債券投資詐欺(産経新聞)
兵庫県警 容疑認める供述
米国債券への投資名目で多額の現金をだまし取った疑いが強まったとして、兵庫県警生活経済課と生田署は八日午前、詐欺容疑で、神戸市灘区篠原北町、金融コンサルタント「エクセル・ゼミナール」の実質的経営者、鈴江一郎容疑者(65)ら四人を逮捕し、四人の自宅や事務所など十二カ所を家宅捜索した。鈴江容疑者らはペーパーカンパニーを使って出資金を募り、投資家らを信用させていたことも新たに判明した。県警は総額三十億円にも上る詐欺の実態解明を進める。
調べに対し、鈴江容疑者は「米国債券は買ってはいなかった」と容疑を認めている。ほかに逮捕されたのは鈴江容疑者の妻で同社取締役、宏子(63)▽同市中央区籠池通、パート従業員、宮田みのり(52)▽同市灘区篠原中町、自営業手伝い、土田信子(53)−の各容疑者。
調べでは、鈴江容疑者らは平成十一年九月から十五年七月にかけ、「海外に送金して直接、運用するので手数料がかからずに有利」と米国債券への投資を募り、元本保証と高利回り(年利約2−9%)を確約した上、神戸市内の主婦ら二人から計二千二百万円を振り込ませて詐取した疑い。
鈴江容疑者らは「ベルマン・コーポレーション」という法人登記のない会社名を利用。神戸市中央区に「エクセル・ゼミナール」という看板を掲げた事務所を開設して投資を募っていた。
米国債券への投資名目で資金を集める際、被害者には一口百万−二百万円を、ペーパーカンパニー名義の鈴江容疑者の個人口座に振り込ませていたという。
また、「東京の弁護士事務所の依頼で回数券を大量購入している。割安なので確実に買い取ってもらえるので3%の謝礼分を上乗せしてもまかなえる」などとして、回数券の購入を被害者に持ちかけていた。
回数券の購入では、その後、代金の振り込みがストップしたため、自己破産を迫られた被害者もおり、県警は鈴江容疑者が運用実態のない架空の投資話やもうけ話の発覚を免れるために偽装工作を続けていたとみて追及する。
(産経新聞) - 1月8日16時10分更新
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