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覚えがないのに突然、裁判所から正式な督促状が届く——。「振り込め詐欺」の手口がエスカレートし、簡易裁判所にうその申し立てをして、法律にのっとった「支払い督促」や「少額訴訟」の制度を悪用するケースが出始めた。単なる架空請求は放っておけばいいが、裁判所の手続きが悪用された場合、きちんと対処しないと財産を差し押さえられる可能性もある。法務省や国民生活センターなどはホームページで手口を公開し、被害防止に乗り出した。
国民生活センターによると、ある20代の主婦は昨秋、簡裁から夫に郵送された書類を見つけた。「出会い系サイト」の利用料19万円の支払いを求める内容。夫は「使ったことはない」というが、簡裁に問い合わせると確かに正式な督促だった。
なぜ利用していないのに督促が来るのか。
「支払い督促」の制度は手続きが簡単で、書式が整っていれば内容の真偽にかかわらず申し立てが認められてしまう。督促を受けた人は2週間以内に異議を申し立てないと、財産差し押さえなどの強制執行を受ける可能性がある。同センターには昨年8月以降、同様の相談が7件寄せられた。
60万円以下の支払い請求に利用できる少額訴訟制度を悪用するケースもある。
簡裁で1回のみの審理で判決が出る少額訴訟では、この期日に出廷したり書面を提出したりしないと主張を認めたとみなされる。架空の訴えを起こし、通知が送られることで圧力をかけて振り込みを促す手口だ。
こうした悪質な振り込め詐欺に対処するには、(1)書類の送付元が「裁判所」の場合、身に覚えがなくても本物かどうか確認する(2)書類に書かれた電話番号にかけると悪質な業者に番号を記録される恐れがあるため、裁判所の番号を確かめて電話する(3)正式な書類とわかったら2週間以内に裁判所に「督促異議の申し立て」をするなど法的対応を取る−−などの必要がある。
同センターは「判断に迷ったらセンターや警察に相談して欲しい」としている。(01/07 17:35)