2005年01月06日(木) 22時09分
<高松地裁>昨年8月、別の被告に詐欺事件の判決言い渡し(毎日新聞)
高松地裁で昨年8月にあった詐欺事件の判決公判で、別の事件の男性被告に判決を言い渡していたことが6日、分かった。高松刑務所の刑務官2人が、被告を間違えて法廷に連れて行き、弁護士や検察官らは誰も別人と気付かなかった。公判終了後に間違いが発覚、本来の被告を連れてきて改めて判決を言い渡した。
高松地裁などによると、昨年8月12日、詐欺罪に問われた男性被告の判決公判で、地裁内の部屋で待機していた被告を法廷に連れて行こうと、刑務官が名前を呼んだ際、名字が似ている別の被告が出てきたという。この被告は窃盗などの罪に問われ、同日、公判が開かれる予定で、2人は同室で待機していた。刑務官は顔写真などで本人確認をしないまま出廷。増田耕児裁判官が判決に先立ち、被告の名前を確認すると「はい」と返事したため、執行猶予付きの判決を言い渡した。
その後、書記官室で改めて名前などを確認したところ、別人と判明。再び法廷に戻り、増田裁判官が「今の判決に効力はない」と説明し、被告が了承したため、本来の被告を出廷させ、判決を言い渡した。その後、“別人”とされた被告の公判があったという。
法務省矯正局によると、この刑務官2人は、04年11月12日付で、高松刑務所長による厳重注意処分などになった。【南文枝】
▽武田和博・高松地裁所長の話 誠に遺憾。今後は関係機関と連絡を取り合い、本人確認を徹底したい。
(毎日新聞) - 1月6日22時9分更新
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