2005年01月06日(木) 22時03分
別人に判決言い渡し、閉廷後公判やり直す…高松地裁(読売新聞)
高松地裁で昨年8月、詐欺事件の男性被告の判決公判に、別の住居侵入、窃盗事件の男性被告が出廷して判決が言い渡され、閉廷後に書記官が別人と気付き、公判をやり直していたことが6日、わかった。
担当刑務官が確認を怠っていたが、裁判官や検察官、弁護士も気付かなかった。
高松刑務所や地裁によると、昨年8月12日、被告数人が待機する地裁内の待合室で、刑務官が出廷する被告名を呼んだところ、住居侵入事件の被告が返事し、そのまま出廷。この際、刑務官は顔写真や名前を確認しなかったという。
公判で、裁判官の氏名確認にも「はい」と答え、保護観察と執行猶予の付いた有罪判決が言い渡された。閉廷後、書記官が判決内容を説明する際、名前と顔写真を照合し、別人と判明。その場で判決無効を説明し、正規の被告に対し、改めて判決公判が行われた。
高松刑務所の川崎茂則・総務部長は「2人の姓が似ていて間違えた」と釈明、担当刑務官を口頭で厳重注意。高松地裁の武田和博所長は「本人確認の徹底を指導したい」とコメントしたが、手続きに問題はないとして処分はしていない。
高松地検の野島光博次席検事は「法廷にいた全員がもっと注意して、確認すべきだった」としている。
同地裁では一昨年11月にも、不法入国事件の初公判で同姓の中国人被告を取り違えるミスがあった。
(読売新聞) - 1月6日22時3分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050106-00000414-yom-soci