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2005年01月05日(水) 00時00分

タイの三角枕、輸入ご用心まくらといっても寝具ではなく、クッションとして寄りかかって使用する=横浜市都筑区のリトルエイジアで朝日新聞・

  三角柱を組み合わせたユニークな形と、青や赤の色使いが人気のタイ製「三角枕」を旅行者が土産に買って郵送しても、日本で受け取れないケースが相次いでいる。害虫が付着する恐れがある輸入禁止の稲わらが使われているためだ。外見だけでは稲わらが入っているかどうかわかりづらく、植物防疫所は注意を呼びかけている。

  横浜植物防疫所(横浜市中区)などによると、三角枕は幅約50センチ、高さ30センチほどのものが主流。主にタイ内陸部で生産されている。クッションとして寄りかかるのに使い、綿を詰めた細長い三角柱を、さらに大きな三角柱になるよう、いくつか縫い合わせてある。日本での価格は小さいもので1個3千円前後。大きなものだと1個1万4千円ほどする。

  稲わらは、小さな三角柱の芯に使われる。東南アジアの稲わらにはイネクキセンチュウ、トリココニス・カウダタなど日本にいない害虫が付く場合があり輸入できない。しかし、表からだけでは稲わらを使っているかどうかの区別が難しい。

  三角枕を中心に扱うインターネットショップ「リトルエイジア」(横浜市都筑区)を00年に立ち上げ、現在は毎月約100個を販売している市川紀生さん(29)にも苦い経験がある。郵便で仕入れた50個ほどの三角枕にすべて稲わらが使われており、タイに返送せざるを得なかった。

  「売れると思って本格的に仕入れてみたばかりのころ。ショックは大きかった」と市川さん。現在は綿だけを詰めた三角枕を扱っているという。

  川崎港郵便局(川崎市川崎区)で検疫を行っている横浜植物防疫所は、02年に41件102個の三角枕を、初めて輸入禁止品として指摘。03年は27件45個と半減したが、04年は11月末の時点で44件63個とすでに前年を上回った。

  日本郵政公社などによると、タイからの郵便物が届く郵便局は、川崎港郵便局を含め国内に7局あるが、川崎以外で三角枕が輸入禁止品として指摘された例は東京、大阪の各国際郵便局でもほとんどない。同公社は「川崎港郵便局が、割安で旅行者が利用しやすいエコノミー航空便を多く扱っているからでは」とみる。

  市川さんは「綿だけでは三角枕の持ち味である独特の硬さが出ないのではと心配したが、パンパンに詰めてあるのでそれほど違わない」と話す。

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http://mytown.asahi.com/kanagawa/news01.asp?kiji=6313