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2008年12月09日(火) 01時47分

<テレクラ放火>被告に無期判決 銃撃は無罪 神戸地裁毎日新聞

 8人が死傷した神戸市のテレホンクラブ「リンリンハウス」連続放火殺人事件(00年)など四つの事件で、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた元会社役員、坂本明浩被告(48)に対し、神戸地裁(岡田信裁判長)は8日、無期懲役(求刑・死刑)の判決を言い渡した。併合審理された広島県警広島東署銃撃事件(04年)については「共謀に合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡した。

 判決によると、坂本被告は元テレホンクラブ経営者、中井嘉代子被告(67)=1審・無期懲役判決、大阪高裁で審理中=ら4人と共謀。中井被告から報酬1000万円でライバル店のリンリンハウスへの営業妨害を依頼され、実行役に指示して00年3月2日早朝、神戸駅前、元町両店に火炎瓶を投げ込ませ、客4人を死亡、店員ら4人に重軽傷を負わせた。

 岡田裁判長は坂本被告について、「犯行手段の発案者であり、中井被告と同様、首謀者と評価できる」と指摘。「責任は重大だが、確定的な殺意はなかった」と述べた。

 広島事件は、坂本被告が04年2月、部下らに指示して広島東署を銃撃させたとされたが、岡田裁判長は「指示を受けたとする実行役の供述は信用できない」とした。

 神戸地検は「無罪は予想外。死刑求刑に対して無期懲役を言い渡したことと合わせて、控訴について上級庁と協議する」とのコメントを出した。【山田泰蔵】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081209-00000010-mai-soci