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2008年11月30日(日) 08時01分

明治大マンガ図書館 サブカル研究の拠点に コレクターも計画賛同産経新聞

 明治大学(東京都千代田区)がアニメや漫画、ゲームにかかわる本や資料を一堂に集めた「東京国際マンガ図書館」(仮称)を同区内に新設する計画を進めていることが29日、分かった。世界各国から注目される日本のアニメや漫画文化だが、本格的な研究拠点は少ない。学生や研究者らを対象に、日本のサブカル史を体系的に調べることができる施設を目指す。

 最近、漫画やアニメを現代文化の一つとして研究対象とする動きが目立つが、大学や公共の博物館・図書館で資料のそろった場所はほとんどない。調査研究の拠点は、2年前に開館した京都国際マンガミュージアム(京都市)などわずか。全国から出版物の納本を受ける国会図書館でも漫画やアニメ誌の欠本は少なくないという。

 こうした実情を踏まえ、明大国際日本学部の森川嘉一郎准教授(37)らが図書館構想を発案した。個人のコレクションをまとめて受け入れ、学術的に保存できる施設づくりを目指すことになるという。まず、漫画評論家の故米沢嘉博さんが集めていたカストリ雑誌や同人誌など十数万冊を収めた「米沢嘉博記念図書館」を、来夏にも東京・神保町近くに開館。並行して、コレクターらに協力を呼びかけて国際マンガ図書館づくりを本格化させる。

 森川准教授によると、最終的には国内で現在出版されている単行本や雑誌はもちろん、貸本漫画や古い雑誌のバックナンバーなど、ほとんどのジャンルの漫画を閲覧できるようにしたいという。オタク文化の歴史をたどる博物館や、アニメを上映するシアターも併設する計画だ。

 この巨大図書館構想に、すでに賛同を表明しているコレクターもいる。30年前に日本初の漫画専門図書館として産声を上げた「現代マンガ図書館」(新宿区)の館長で日本マンガ学会理事の内記稔夫さん(71)は「漫画は大切な日本文化。これまで半世紀以上かけ、自分が集めてきた20万冊近くの漫画雑誌や単行本のコレクションが散逸せず、まとまって半永久的に所蔵されるなら、喜んで協力したい」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081130-00000039-san-ent