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2008年11月30日(日) 09時09分

日興シティ信託を売却へ 米シティ、経営再建の一環中国新聞

 米銀大手シティグループが、日本で展開する傘下の日興シティ信託銀行(東京)を売却する方針を固めたことが二十九日、分かった。金融危機で経営が悪化したシティの再建の一環で、同社が日本で手掛ける事業にも影響が及んできた。

 関係者によると、週明けに売却先を決める入札を実施する予定で、三菱UFJ信託銀行、住友信託銀行、みずほ信託銀行などが参加するとみられる。

 計四百五十億ドル(約四兆三千億円)の資本注入を受けたシティは、世界で約五万人の従業員削減に着手。シティ傘下で個人向け取引を手掛ける国内証券大手、日興コーディアル証券(東京)も、四十歳以上を対象とした早期退職の募集や役員削減を決めた。

 シティは今年五月、持ち株会社の日興シティホールディングスを設立し、コーディアルを含む証券、資産運用会社などを束ねた。シティバンク銀行も二〇〇九年末までに持ち株会社の傘下に入れ、幅広いサービスを一体的に展開する計画だ。

 コーディアルなど証券二社の合併を予定するなど、柱と位置付ける事業の強化を目指す一方、中核としない事業については整理を進めており、資産運用会社から資産管理などを受託する日興シティ信託を売却することにした。

 同信託は資本金二百億円で、今年九月末の従業員数は百三十六人。一九九三年に日興信託銀行として設立、〇一年にシティ傘下に入り、現社名に変更した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811300121.html