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2008年11月30日(日) 00時13分

実行犯は10人と内務省 インド同時テロ、死者195人中国新聞

 【ムンバイ29日共同=清水健太郎】インド西部ムンバイの同時テロで、内務省幹部は二十九日、記者会見し、実行犯は少なくとも十人で、うち九人を掃討作戦中に殺害、一人を拘束したと明らかにした。インドメディアによると、ムンバイ市当局者は、死者数が百九十五人、負傷者は約三百人に上ったと指摘、同国で過去最悪の規模のテロとなった。

 内務省によると、死者のうち外国人は二十二人。テロリストが立てこもったホテルなどから救出された人質や宿泊客らは約六百人に上るという。

 最後までテロリストの掃討作戦が続いたタージマハルホテルの制圧完了を受け、治安当局は国際テロ組織アルカイダなどとの関連を含め、犯行組織の特定や事件の背後関係に関する捜査を本格化させた。治安部隊はホテルの各部屋を捜索、生存者や爆発物の有無を調べた。実行犯は隣国パキスタンで軍事訓練を受けていたとみられる。

 内務省幹部らによると、犠牲になった外国人は三井丸紅液化ガス関東支店課長の津田尚志つだ・ひさしさん(38)のほか、米国人五人、イスラエル人とドイツ人がそれぞれ三人など。

 地元メディアは、ムンバイがあるマハラシュトラ州の内務省当局者の情報として、実行犯はすべて外国人と報道。拘束されたのは、パキスタンが拠点でアルカイダとのつながりが指摘されるイスラム過激派「ラシュカレトイバ」メンバーで、パキスタン人の男(21)。

 男は銃の使い方や海岸からの上陸の仕方などをパキスタンで訓練され、攻撃対象に選んだムンバイの建物などの映像も見たと供述。パキスタンの首都イスラマバード中心部にある米国系のマリオットホテルで九月に起きた大規模な爆弾テロをまね、タージマハルホテルの爆破を計画していたとも供述しているという。

 テロ発生の翌日の二十七日には「デカン・ムジャヒディン(イスラム戦士)」が犯行声明を出している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811300124.html