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2008年11月30日(日) 00時13分

津田さん無言の帰国 「生きて一緒に…残念」と同僚中国新聞

 インド西部ムンバイの同時テロで、武装集団の銃撃を受けて死亡した三井丸紅液化ガス関東支店課長津田尚志つだ・ひさしさん(38)の遺体が二十九日午後五時ごろ、シンガポール航空便で成田空港に到着した。

 現場に居合わせ、自身も左腕に銃弾を受けた同社東北支店(仙台市)の支店長結束達也けっそく・たつやさん(44)も同じ便で帰国。「津田さんと(生きて)一緒に帰ってきたかった。残念だ」とやつれた表情で語った。

 空港に迎えに来た同社副社長玉置肇たまき・はじめさん(56)は「津田さんには『お帰りなさい。大変申し訳ない』と言ってあげたい」と涙ながらに話した。

 これに先立ち、ムンバイのトライデントホテルに閉じ込められていた日本人らが同日午前、成田空港に帰国。「足元からドーン、ドーンと二回爆発音がし、地響きがした。ロビーは血だらけでガラスが一面砕け散っていた」などとテロ発生時の様子を振り返った。

 宝石の取引で出張していた東京都葛飾区の隅田昌良すみだ・まさよしさん(41)は軍に救出されるまで約三十八時間、拘束された。ホテルを出る際、外でも銃声が聞こえると、皆パニックになったという。

【写真説明】シンガポール航空便で成田空港に到着した津田尚志さんのひつぎ=29日午後5時16分

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811300131.html