「撃たれた瞬間、衝撃で動けなかった」—。インド西部ムンバイのホテルで
二人は三井丸紅液化ガスが顧客のために企画した視察旅行に参加、二十六日にムンバイに到着した直後、ホテルで武装集団の襲撃に巻き込まれた。
ロビーに着いたエレベーターから降り、数歩歩いたところで突然大きな銃声が響き渡った。そのまま倒れる津田さん。結束さんはとっさに動くことができなかった。気を取り直し、津田さんを抱え、エレベーターに乗って上層階に逃げた。
この時、津田さんは「弾が当たった。痛い」と言っていたが、意識ははっきりしていた。結束さんが応急の止血をしたが、一階ではまだ銃撃音が続き、なかなか助けが来なかった。
約二十分後、助けに来たホテル関係者に連れられ、裏口から逃げ、病院に向かった。
結束さんは成田空港で、約十五センチにわたって破れたスーツの左ひじのあたりを見せながら「撃たれた瞬間は左腕がかなり後ろに飛ばされた。何が起きたか分からなかった」と振り返る。
当初乗る予定だった便を変更して津田さんの遺体とともに帰国し「七、八年間一緒に仕事をしてきた。まさかこんなことになるとは。テロに対して怒りを覚える」と唇をかんだ。