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2008年11月30日(日) 09時39分

真央 今季自己ベスト!復活の舞でVデイリースポーツ

 「フィギュアGPシリーズ最終戦・NHK杯、第2日」(29日、国立代々木競技場)
 女子フリーなどが行われ、ショートプログラム(SP)首位の世界選手権覇者・浅田真央(18)=愛知・中京大中京高=が今季自己ベストの126・49点でフリー1位となり、合計191・13点で優勝。鈴木明子(23)=邦和スポーツランド=が初のGP表彰台となる2位に入り、日本勢が表彰台を独占した。中野友加里(23)=プリンスホテル=が3位。浅田真、中野、安藤美姫(20)=トヨタ自動車=が、グランプリ(GP)ファイナル(12月10日開幕、韓国・高陽)へ進出した。
  ◇  ◇
 表彰台のてっぺんで白い歯がこぼれた。真央が圧巻の演技で、GPファイナル切符を手にした。「優勝したのも、うれしかった。あとジャンプが自分のジャンプに戻ってきた」。国内大会で05年全日本選手権(代々木)で成功させ、国際大会史上初となる「トリプルアクセル2度」の成功は幻となった。それでも果敢に挑み、大きな手応えをつかんだ。
 勝負はこの日、決断した。冒頭で単発のトリプルアクセルを決めると、さらに国際大会で伊藤みどり、トーニャ・ハーディング(米国)以来、史上3人目となる「トリプルアクセルからのコンビネーションジャンプ(ダブルトーループ)」を試みた。決まったかに見えたが、そのトリプルアクセルは惜しくも「回転不足」と判定された。
 当初はこのコンビネーションを最初に入れるはずだった。しかし、タイミングが合わずに単発に終わると、瞬時の判断で次のアクセルをコンビネーションに変更した。冷静かつ強気だった18歳は「(回転不足は)悔しいけど、次の目標が見つかった」と前向きだ。
 緊張と疲労がピークの中、すべてを出した。華麗なステップも披露。2位だった2週間前の第4戦フランス杯ではスピードを欠いたが、この日はスケート技術で破格の8点台をマークした。最後のスピンではバランスを崩して左手を氷につき「体力があまりなくて、倒れるまでやろうと思ったら、最後は本当に倒れそうになった」と照れ笑いした。
 合計得点は前戦の167・59点から191・13点へと大躍進。ライバルキム・ヨナ(キム・ヨナ)=韓国=の今季最高193・45点に迫った。上り調子でキム・ヨナの待つGPファイナルへ臨む。「(ヨナから)たくさんの刺激を受けている。今シーズン初対戦するけど、まずは自分のエレメンツ(要素)をミスなく確実にできるように」と静かに闘志を燃やした。
 05年、初出場時に優勝した会場が代々木。08年は思い出の詰まったリンクをステップに3年ぶりのVを狙う。視線の先にはバンクーバーがある。

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