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2008年11月30日(日) 08時23分

【秋篠宮さま誕生日会見】(2)陛下のご負担軽減、「なかなか難しい」 産経新聞

 【記者】両殿下にお伺いします。両殿下は今年1月、インドネシアを訪問されたのを始め、7月には岩手・宮城内陸地震のお見舞いのために岩手・宮城両県を訪問されました。この1年間のご公務を振り返ってのご感想をお聞かせください。

 【秋篠宮さま】本年は1月の中旬からだったと思いますが、インドネシア訪問を始め、あとは主に国内ですけれども、いろいろな場所に参りました。今おっしゃった岩手・宮城内陸地震の一月ちょっとたってからでしょうか、岩手県において行事があったときに、宮城県と岩手県両方の被災地へお見舞いに参りました。 もちろん行く前に、新聞ですとかテレビなどで地震の被害が甚大であるということを認識はしているわけですけれども、実際にそこの場所に行って被災した方々から話を聞いてその様子を知ることで、さらにそのときの状況を深く理解することができるなということを改めて感じました。つまりできる限り実際の場所で、災害とかそういうことのみならず、いろいろなことを見聞することの大切さということを感じております。

 その意味でいうと、この1年ということではありませんけれども、私も湧水ですとか水族の保全など水環境についてのことにもかかわっておりますが、これは以前からできるだけそのようにしているわけですが、行事がそれに関係する場所で行われたときなどは時間の都合がつく限り関係する場所に行って、それに携わっている人から話を聞くようにしております。そしてまた、それによって分かることもたくさんあります。

 【紀子さま】この1年を振り返りますと、宮さまとご一緒に出席したさまざまな行事があり、いろいろな場所を訪れ、多くの方々にお会いしお話をする機会がございました。今年は「日本インドネシア友好年」に当たりまして、1月にインドネシアを訪問いたしました。その訪れた先には、2年前に大きな地震の被害を受けたジョグジャカルタという場所がございました。

 【秋篠宮さま】ジャワ島中部地震のね(紀子さまをを振り向かれて)。

 【紀子さま】ジャワ島中部地震(秋篠宮さまに振り向かれてうなずかれる)で多くの方々が亡くなりけがをされました。復興の途中でしたが、まだ地震によって心の傷を持っている方々もいるという話を伺い、心を痛めました。

 一方では、日本の支援によって耐震仕様に中学校が再建され、そこの中学校を訪れましたが、手作りの歌で迎えてくださったり、また熱心に勉強する中学生の姿に接し、そのほかには建物が壊れてしまったプランバナン寺院でしょうか(秋篠宮さまにご確認)、そちらでは日本の協力によって修復作業が進んでいまして、そのようなことにもふれてうれしく思いました。

 今年の7月には宮さまも先ほど話されましたように、岩手県と宮城県を訪れ、被災された方々にお会いいたしました。深い悲しみの中にも、復興に尽くされた方への感謝の気持ちを抱きつつ、お互いに励まし合い、協力して今後の生活を力強く進もうとする姿に心が動かされました。

 このほかにも、この1年にいろいろな行事がありました中で1人で出席したものをいくつか申し上げますと、今年7月に結核対策の分野で活躍している関係者が集い、意見交換や議論を行った「国際結核シンポジウム」、それから今月の上旬に「Safe Motherhood」について世界のさまざまな立場の方から発表があった「第49回日本母性衛生学会学術集会」のメーンシンポジウムなどがあり、関係する方々からさまざまなお話を伺いました。

 今までにそれぞれの分野で地道に努力をされ、意義深い活動をされてきた方々に深く感謝しますとともに、今抱えている多くの課題の解決に向けて国際機関、国の公的私的な団体、保健・医療などの専門家や婦人会など地域の人々、多くの方々の適切な連携と協力が非常に重要であることを改めて認識いたしました。

 【記者】また天皇、皇后両陛下はご高齢にもかかわらず、精力的にご公務をこなされていますが、今後両陛下のご公務を皇太子さまを始めとする皇族方で調整しながら、分担することも検討していかなければならない時期ではないかと思います。殿下は去年の会見で「(陛下の)お仕事の全体の量というのをこれから私たちも把握していくように努めていきたい」と話されましたが、今後の負担軽減や公務分担をどのように進めるべきだとお考えでしょうか。

 【秋篠宮さま】昨年、陛下のお仕事の全体量の把握ということを申しました。今年の1月から10月までのお仕事の量と、昨年の1月から10月、同じ時期を比較してみますと、これは主に都内でのお仕事、それから宮殿での行事などの件数を比較してみますと、人によって数え方が違う可能性があるので一概にこうということは言えないのですけれども、決して昨年より今年が少なくなっているということはないんですね。むしろ昨年より多いぐらい。  これにはいろいろな要因はあるかとは思いますけれども、このようなお仕事の量ということについては、引き続き皆で考えながら、どのようにしていくかということを検討していく必要があると思います。

 一方、お仕事の数を減らしていくということは横並びの関係もありましょうし、なかなか難しいところがあるのも事実だと思います。そういうことをかんがみますと、具体的にどうというのは今すぐ案が出てくるわけではありませんけれども、一つ一つの行事の内容といいますか、中身を変えていって、それでご負担軽減につなげていくことができるのではないかと思います。

 例えば、昭和天皇が高齢になられてからもそういう形で宮殿の行事での負担軽減が行われております。ただこれは、恐らくそうだろうと思うんですけれども、昭和天皇が高齢になられてから、それを当時の皇太子殿下やそれ以外の皇族が分担したということはあったでしょうか。私はあまりなかったというように記憶しています。

 恐らく現在の陛下の場合にも、これは先ほどの付け足しになりますけれども、今の皇太子殿下や私たちに譲れるものはもうかなりの部分譲られておりますので、そのことからも分担ということを考えていくのはなかなか難しいのかなというように感じております。

 【紀子さま】両陛下のご体調をご案じ申し上げております。宮さまとご一緒にこれからも皇族としての務めを大切にしてまいりたいと思います。

 =(3)に続く

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