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2008年11月30日(日) 08時03分

真央V!GPファイナルで金妍児と女王対決サンケイスポーツ

 フィギュアスケート・GPシリーズ第6戦NHK杯第2日(29日、東京・国立代々木競技場)世界女王・浅田真央(18)=愛知・中京大中京高=がフリーで今季自己最高の126.49点を獲得。前日のショートプログラム(SP)と合わせ191.13点で圧勝し、グランプリ(GP)シリーズ上位6選手で争うファイナル(12月11日開幕、韓国・高陽)に4年連続で進出した。NHK杯で浅田は2006年以来の優勝。日本選手で最多のGP通算勝利数を6に伸ばした。

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 両手のこぶしを高く突き上げた。降り注ぐ拍手と花束のシャワーの真ん中で、笑顔を見せる真央の目が、少しずつ潤んでいった。

 「アクセル(3回転半ジャンプ)を2個跳ぶことができたので、それがうれしかった。攻める気持ちを忘れずにできたのがよかったです」

 漆黒のベルベット素材にレースを大胆にあしらった妖艶(ようえん)なコスチューム。ハチャトリアンのワルツ「仮面舞踏会」に乗り、大胆に跳び、華麗に舞った。4季連続のGPファイナル進出を決めた今シーズン自己ベスト(126.49点)の演技に、世界女王の気迫があふれていた。

 冒頭に予定していた3回転半のコンビネーション。「何か危ないかなあと思って…」と急きょ単発の3回転半に変更した。一方で、直後の単発3回転半を「コンビネーションを跳ばないと意味ない!」と2回転トーループを加えた。瞬時の判断で柔軟に対応した。

 2つの3回転半が成功すれば女子の国際大会では史上初の快挙だったが、2度目のジャンプは回転不足とジャッジされた。記録には残らないものの、それでも「この試合で跳ぶ、と決めていた」という強い意志が宿っていた。前回のフランス杯(167.59点)の失敗から悩み続けた“ジャンプ不安症”を自らの手で克服した。

 演技終盤は今季から師事するタチアナ・タラソワ氏(61)が振り付けた激しいステップの連続。転倒せず初めて“完走”した真央は最後の最後、決めのポーズでバランスを崩し、ズルッ! 「倒れるくらいまでやったら、最後、ちょっと倒れかけました」とおどけた。

 さあ、頂上決戦だ。GPシリーズで2戦とも190点以上を挙げた金妍児(キム・ヨナ、18)=韓国=に対し、堂々の191.13点を手に挑戦権を得た。今季初めての直接対決となるGPファイナルは、完全アウェーの韓国開催。2年連続で金に敗れ2位に泣いた真央に、雪辱の時がきた。

 「韓国料理を食べるのがまず楽しみで、(金との)対戦も楽しみ。今日(29日)よりもっといい演技ができるようにしたい」。自信を取り戻した真央に、宿命のライバルとの一騎打ちが待っている。(佐藤ハルカ)

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