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2008年11月30日(日) 08時03分

【外信コラム】イタリア便り 愛犬・愛猫の乗車産経新聞

 最近のように社会の少子化、高齢化が進むと、ペットとしての小型犬や猫の飼育が盛んになる。だが、飼い主が一番頭を悩ますのは旅行に出るときである。

 幸いイタリアでは12月1日から、ブルドッグやボクサーなど「危険な犬」と考えられている17種を除いては、愛犬・愛猫の列車への乗車が認められることになった。もちろん、主人が必ず付き添うこと、登録済み証明書を携帯することなどいろいろな規則は存在する。

 小型犬や猫の場合は、主人が携行する最大70センチ×30センチ×50センチのおりか、バスケットや袋などに入れることを条件に、無料であらゆる種類の列車に乗れる。ただし、時速230キロに達する特急は除かれる。その理由も、このスピードが小動物に健康被害を及ぼすという「きめ細かい配慮」からだ。

 これ以上大きい犬になると事態は急に複雑になる。まず料金は飼い主の運賃の半額を支払わなければならず、鎖につながれ口輪をしていることが絶対条件だ。しかも乗れる列車は限定され、特急も1等車もダメ。急行と準急なら構わないが、席は最後尾の2等車の最後のコンパートメントと決められている。

 また、近郊列車では最後尾車両のデッキ近くのスペースが犬用だ。しかし、午前7時から同9時の通勤時間帯はダメ。結局、中型・大型犬にとっては「ワンとも不公平な規則」というわけだ。(坂本鉄男)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081130-00000044-san-int