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2008年11月29日(土) 14時31分

小泉容疑者ほかに2件下見、元社保庁長官宅も読売新聞

 元厚生次官宅襲撃事件で、銃刀法違反容疑で逮捕された無職小泉毅容疑者(46)が、警視庁の取り調べに対し、実際に襲撃した元厚生次官2人の自宅以外にも、2人の自宅を下見したと供述していることがわかった。

 同庁では、小泉容疑者が無差別に元厚生省幹部の襲撃計画を立て、さいたま市南区の山口剛彦さん(66)夫妻殺害事件と東京都中野区の吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)襲撃事件以外でも具体的に進めていたとみて、追及している。

 これまでの調べで、小泉容疑者が出頭してきた車から、2人以外の元厚生官僚の名前の書かれた配達伝票のはられた段ボール箱が見つかったほか、自宅からは、歴代厚生次官の氏名や住所が記されたメモや地図が押収されている。

 捜査幹部によると、小泉容疑者は、元厚生次官や元社会保険庁長官らの実名を挙げて、「(山口さんらを含めて)4人の自宅の下見に行った」と供述。「警戒が厳しいので、断念した家もあった」と話しているという。

 小泉容疑者は「近いところから狙った」とも供述しており、下見した家のうち、さいたま市北区の小泉容疑者の自宅から比較的近い山口さん、吉原さんの自宅がまず襲われたとみられる。

 小泉容疑者は、これまで「34年前に保健所で処分された犬の敵を討ちたかった」として、元厚生次官とその妻10人を狙ったと供述していたが、最近では「次官経験者すべてを襲撃の対象として考えていた」と話すようになったという。ほかの計画を実行せずに22日に出頭した理由については、「このために生きてきた。恨みを晴らし、十分やり遂げたと思った」と述べているという。

 厚生次官経験者を襲撃対象に選んだ点について、「子どものころは厚生大臣を恨んでいたが、大学で勉強し、実際に役所を動かしているのは官僚と知り、官僚が悪いと思うようになった」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081129-OYT1T00457.htm?from=main1