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2008年11月28日(金) 00時24分

立てこもりホテルで救出作戦=イスラム過激派の犯行説強まる−印ムンバイ時事通信

 【ニューデリー27日時事】インド西部の都市ムンバイで起きた同時多発テロで、治安部隊は27日、武装グループが立てこもった繁華街の高級ホテルで人質の救出作戦を展開した。地元マハラシュトラ州警察幹部は現地のテレビに対し、タージ・マハル・ホテルの人質について「全員救出された。ただ、部屋には宿泊客がいる」と言明。もう一つのトライデント・ホテルでは宿泊客らが依然人質に取られているとみられ、銃撃音が響くなど現場周辺は緊迫した空気に包まれている。
 日本政府筋は、邦人8人が武装グループの立てこもる2つのホテルから脱出できない状態にあると明らかにした。また、日本外務省はムンバイ総領事館が把握する在留邦人268人と出張者28人全員の無事を確認したと発表した。
 犯行グループの男1人は同日、ホテル内から電話で地元テレビに「デカン・ムジャヒディン」という組織に属しているとした上で、「インドで逮捕されたムジャヒディン(イスラム聖戦士)全員を釈放」するよう要求した。
 シン首相はテレビ演説し、「周到に計画され、うまく仕組まれた攻撃だ」と指摘するとともに、国外に拠点を置くグループによる犯行との見方を示した。
 AFP通信などによると、人質には外国人も含まれ、トライデント・ホテルには約200人の宿泊客らが閉じ込められているもよう。武装集団は2つのホテル以外に複合ビルも占拠しており、同ビルに入居するユダヤ教関連施設の聖職者が人質となっているという。
 今回の事件で日本人男性1人が犠牲になっており、米CNNテレビによると、死者はこれまでに少なくとも125人、負傷者は327人に上った。 

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000003-jij-int