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2008年11月28日(金) 00時38分

亡くなった津田さん、インド視察を立案…上司「つらい」読売新聞

 インドの商業都市ムンバイで26日夜(現地時間)に発生した同時テロ。三井丸紅液化ガスによると、亡くなった津田尚志さん(38)は岡山県出身で、愛媛大学を卒業後、1994年に同社の前身の丸紅エネルギーに入社。関東支店では営業担当の課長として活躍していた。

 同社で27日午後、記者会見した玉置肇副社長は津田さんと10年来の付き合いがあった。「明るく活発な人柄で、同僚に親しまれ、顧客の評判も良かった」という。今回のインド視察も、津田さんが立案したもので、常に仕事にも積極的だったという。

 がっちりとした筋肉質でゴルフが得意だった。一緒にラウンドした時のことなどを振り返りながら目を真っ赤にした玉置副社長は、事件の感想を聞かれると、「許せない。だが、それ以前に部下を亡くしたことの方がつらくて……」と言葉を詰まらせた。同席した佐藤雅一社長も「将来を嘱望されていた人物。ご遺族に謹んでお悔やみ申し上げたい」と沈痛な表情で述べた。

 岡山県真庭市にある津田さんの実家には27日早朝、悲報が伝わった。

 弟の靖司さん(34)らによると、津田さんは妻と、小学生の子供2人の4人家族。最近は、休日になると長男の野球チームのコーチとして練習に参加するなど、子煩悩ぶりを発揮していたという。津田さん一家は毎年、夏休みに帰省し、今年は靖司さんの家族と一緒に日本海に海水浴に行ったという。靖司さんは「あれが最後の思い出になってしまった。優しかった、兄を奪ったテロを許せない」と怒りをあらわにした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000001-yom-soci