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2008年11月27日(木) 18時03分

【ムンバイ同時テロ】銃声、手榴弾…血に染まった繁華街産経新聞

 【シンガポール=宮野弘之】インド西部の拠点都市ムンバイの繁華街が血で染まった。銃声と爆発音が各所で響き、煙に包まれた高級ホテルのプールに遺体が浮いた。人質を取ってホテルに立てこもった武装集団と治安部隊とのにらみ合いが続いた。

 AP通信などによると、高級ホテル、タージマハルホテルに乱入した武装集団は「米国か英国のパスポートを持っているのは誰だ」と叫びながら銃を乱射した。ホテルの窓には逃げ遅れて助けを求める宿泊客の姿が。武装集団が警察の突入を防ぐため屋上から手榴(しゆりゆう)弾を投下する中、消防士がはしご車を使って上層階の窓を割り、救出活動にあたった。

 襲撃当時、ホテルのロビーにいた欧州議員団の一員、カリムさんがAP通信に恐怖の瞬間を語った。「突然、外で激しい銃声が聞こえたと思うと、マシンガンのような武器を持った武装集団が目の前に現れた。そしてわれわれに向けて発砲し始めた。反対方向に走って逃げた」。外の安全が確認できないため、カリムさんはしばらく、ホテルのレストランで身を潜めていたという。

 目撃者の証言では、タージマハルホテルとトライデントホテルを襲撃した武装集団のメンバーは20歳代とみられる。トライデントホテルに押し入った男は、レストランにいた30〜40人の客を移動させ、ヒンディー語かウルドゥー語で両手を挙げるよう命じた。

 世界遺産のチャトラパティ・シバジ駅で、深夜列車を待つ乗客に銃を乱射した4人の男らは、黒のTシャツに青のジーンズ姿だった。目撃者は「彼らはただ手当たり次第に人々に向けて発砲して、逃げていった」と話した。無数の弾痕が残る駅舎の床には、血の海が広がった。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081127-00000575-san-int