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2008年11月27日(木) 00時00分

心の傷深まる遺族 謝罪の言葉もなく 3キロ引きずり男起訴 産経新聞

 執行猶予中だったうえ、無免許で飲酒運転だった吉田圭吾被告(22)は、その発覚を免れようと逃走し、2児の父親になろうとしていた鈴木源太郎さん(30)の命を奪った。

 鈴木さんの弟、秀次郎さん(25)は、吉田被告が殺人罪などで起訴され、一つの区切りを迎えたことについて、「(源太郎さんに)公判という新たなスタートに立ったよ、と語りかけたい」という。また、「公判でどのような答弁をするのか自分の目で見たい」と話し、「仕事の合間を見つけて、公判にはできるだけ足を運びたい」と付け加えた。

 ただ、残された妻と2歳の長男については「徐々に落ち着きを取り戻しているが、日がたつにつれて傷が深まっているように見える」と声を曇らせた。

 吉田被告の無軌道ぶりは、事件前から始まっていた。前日の夕方から自宅近くのタコ焼き屋でビールを飲んだあと、同じ建物のバーでさらに飲酒。その後、犯行車両となるトヨタ・イプサムに1人で乗り込み、都島区の京橋界隈(かいわい)のキャバクラ店で翌日未明まで飲酒していた。

 鈴木さんをはねたのはその帰宅途中。車底部に巻き込んだことを認識しながら、信号などで一度も停止することなく蛇行運転を繰り返し自宅に逃げ帰った。

 事件前の3軒の飲酒は府警も確認したが、事件時の体内のアルコール濃度を正確に把握できず、飲酒運転での立件は見送られた。

 事件直後の所持金は2000円足らず。「潜伏先」としてではなく「働き口」を探そうと知人を頼り、逮捕されるまでの約2週間、大阪・ミナミでホストをしていた。おびえたり反省するそぶりもなく、逮捕直前は友人と談笑しながらラーメンを食べていた。

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