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2008年11月27日(木) 03時15分

金融庁がパリバ証券に改善命令へ、アーバン社の不適切開示で読売新聞

 民事再生手続き中の不動産会社「アーバンコーポレイション」(広島市)が資金調達をめぐる重要情報を開示しなかった問題で、金融庁は26日、資金調達を引き受けた外資系証券会社「BNPパリバ証券東京支店」(東京都千代田区)に対し、近く金融商品取引法に基づく業務改善命令を出す方針を固めた。アーバンに非開示を働きかけるなど、証券会社でありながら投資家の不利益につながる不適切な行為があったと判断した。

 パリバは今年7月、アーバンが発行した転換社債型新株予約権付社債(CB)を300億円で引き受けた際アーバンにこの300億円を使って「スワップ取引」を行うよう持ちかけた。取引はアーバンの受取額が株価で変動する仕組みで、パリバは11億円の利益を上げたが、アーバンには58億円の営業外損失が発生し、受取額も92億円にとどまった。

 アーバンは、経営破綻(はたん)するまでスワップ取引を行ったことを公表せず、CB発行で300億円調達したとだけ開示していた。

 パリバが設置した外部検討委員会(委員長・松尾邦弘元検事総長)の調査などによると、パリバは、アーバンにリスクのある取引を開示するとアーバン株の売り注文が殺到して株価が急落して取引が不調に終わることを懸念し、開示しないように働きかけたという。アーバンは資金繰りに窮していたため、不利な条件での取引に応じた。

 一連の問題で、金融庁は今月、アーバンに対し金商法違反で150万円の課徴金納付命令を出した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081127-00000001-yom-soci