記事登録
2008年11月27日(木) 00時28分

【定額給付金】支給時期→年度またぐケースも 受け取り→大半は口座振り込み産経新聞

 定額給付金の支給をめぐっては、28日に総務省が給付事務を担う地方自治体への正式な説明を行う。数々の懸案を抱えたまま、憶測ばかりが先行し、市町村側には混乱が生じている。

 有力な支給方法は、平成21年1月1日を基準日に住民基本台帳に掲載されている氏名、住所、生年月日などの情報から給付対象者と給付額を決める方式だ。

 まず、各世帯に「給付金引換券」が発送され、世帯主らが引換券と身分証明となる免許証や保険証などを持参し、給付を申請する。

 受け取り方法は、申請時に振込先の金融機関の口座を指定する口座振り込みが有力だ。窓口の事務が縮小される利点があるが、「振り込み詐欺」への警戒が必要になる。

 金融機関が少ない過疎の自治体は、多くが窓口での現金支給の方式を採るとみられる。しかし、窓口に多額の現金を置くために警備上の問題が生じるうえ、受取人が殺到した場合の混雑も想定される。虚偽の申請による二重取りや、受け取った直後のひったくりという犯罪も懸念される。

 一方、市町村に委ねることになった所得制限の有無について、与党合意では所得制限を設ける場合は1800万円を下限に設定するようにしている。所得制限を超える住民には受け取りの自粛を促すだけの制限ならば簡単だが、厳密に住民の所得を把握する場合、国税庁(税務署)に所得情報の提供を求めるための所得税法改正が必要だ。

 市町村側は所得制限に強いアレルギーを示し、全国町村会(会長・山本文男福岡県添田町長)は25日の理事会で「所得制限を設けないことが望ましい」との統一見解を早々に決めた。外国人や、基本台帳の住所で所在が確認できない人への対応など、詰めるべき課題は山積している。

 「年度内開始」を目指している支給時期も微妙な状況になってきた。

 定額給付金は、平成20年度第2次補正予算と関連法の成立を受けて予算と財源が確保される。政府・与党は補正予算案と関連法案を来年1月上旬召集予定の通常国会に提出する方針。

 民主党は、第2次補正予算案には反対しており、野党が過半数を占める参院では野党による審議の引き延ばしが予想される。

 予算案は衆院通過から30日たてば成立するが、関連法案は参院で否決されると衆院での再議決が必要。関連法の成立が3月中旬ごろにずれ込めば、手続き開始は3月下旬以降になり、支給は年度をまたぐケースも出てきそうだ。

【関連記事】
「税収不足で赤字国債もやむを得ず」 参院本会議で首相
定額給付金は全世帯の公算
中小企業 年の瀬に寒風 2次補正先送り 追加対策遅れに批判の声
28日に「太郎vs一郎」党首討論 2次補正「年明け」通常国会提出
公明に光明差さず? 早期解散戦略崩れ「こんなはずじゃなかった」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081127-00000505-san-pol