記事登録
2008年11月27日(木) 14時01分

裁判員制度:県弁護士会、国選担当で専用名簿 登録減懸念、一般と分離 /新潟毎日新聞

 ◇近づく裁判員制度
 来年5月に始まる裁判員制度を前に、対象事件を担当する国選弁護人について、県弁護士会刑事弁護委員会は、裁判員裁判専用の名簿を2月までに作成する方針を固めた。専用名簿にすることで弁護士に負担が大きいと言われる裁判員裁判を担当する意思が明確になる。一般事件との統一名簿の場合、名簿登録する弁護士が従来より少なくなるのを懸念した。【岡田英、川畑さおり】
 裁判員制度の対象は殺人や強盗致死などの重大事件。県弁護士会はこれまで、対象事件とそれ以外の一般事件の国選弁護人を分けて登録する「分離名簿方式」と、合わせて登録する「統一名簿方式」を検討してきた。
 同会は今年5〜6月、会員約170人を対象にアンケートを実施。85人が回答し、分離名簿方式にした場合に裁判員裁判専用名簿への登録申し出は30人(35%)。一方、統一名簿への登録を申し出たのは43人(50%)で、裁判員裁判に消極的な傾向が明らかとなった。
 統一名簿方式にした場合、希望しない裁判員裁判の担当になるおそれもあり、登録者が少なくなることが懸念されている。従来より登録者が少なくなり、一般刑事事件を担う弁護人も不足する恐れがあり、同会刑事弁護委員会は、分離方式を採用することにした。
 地裁によると、年間の対象事件は40件程度。県弁護士会副会長の斉藤裕弁護士は、「国選弁護の要請が30件程度として1事件2人つくと考えると約60人必要」と試算。「回答は会員の半数なので、60人はなんとか確保できる」としている。
 同委員会は来月上旬から、県内の弁護士に最終的な意向調査を行ったうえで専用名簿への登録を要請する。
 ◇リスト記載通知あす発送、対象者は660人に1人
 28日に「裁判員候補者名簿記載通知」などが裁判所から発送される。県内では約660人に1人の割合で届くことになる。各市町村の選管が有権者名簿からくじで選んだ人が対象で、来年末までに裁判員に選ばれる可能性がある。
 順次届くクリーム色の封筒には通知書や、「職業禁止事由」や「辞退」についてマークシート方式で聞く調査票などが同封されている。
 裁判員になれない職業は自衛官や警察官、国会議員、司法書士などで、辞退できるのは▽70歳以上(来年5月21日現在)▽学生▽05年以降の検察審査員▽重病やけがで参加が困難な人。ただ、重病や介護、養育、仕事の都合、冠婚葬祭や行事、出産で参加が難しい月を2カ月分まで回答でき、いずれかに該当する人は来月15日までに同封された返信用封筒で返信する。
 該当しない人や辞退が認められなかった人の中から、事件ごとに約100人が裁判員候補者として選ばれ、裁判所へ来るよう求める「呼び出し状」が裁判の6週間前までに送られる。
 呼び出された候補者の中から、裁判官・検察官・弁護士の面接などを経て6人の裁判員と補充裁判員が選ばれる。

11月27日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081127-00000099-mailo-l15