記事登録
2008年11月26日(水) 15時39分

Fedoraプロジェクト、最新機能を追加したLinux「Fedora 10」をリリースComputerworld.jp

 米国Red Hatが支援するFedora Projectは11月25日、無償Linuxディストリビューションの最新版「Fedora 10」(開発コード名:Cambridge)をリリースした。

【関連画像を含む詳細記事】

 新バージョンのFedoraは、仮想マシン管理、ネットワーキング、起動時間、セキュリティなど、幅広い領域で数多くの新機能を追加している。オープンソースのオフィス・スイートの最新バージョンである「OpenOffice 3.0」もバンドルされた。

 仮想マシンや仮想ストレージを管理する新しいリモート管理ツールを初め、仮想化関連のさまざまな新機能は、拠点が分散している企業のシステム管理者にとって魅力的だ。Fedora開発チームは、Red Hatのサイト内にあるブログで、「これらの(仮想化関連の)新機能が追加されたことで、(マシンが遠隔地にあるなどして)管理者が直接、物理的に操作することが困難な場合でも、リモート管理が簡単にできるようになった」とコメントしている。仮想マシン(ゲスト)をリモートから作成することもできるようになった。

 また、Fedora10では新しいグラフィカル・ブート・システム「Plymouth」の採用により、起動時間が短縮された。無線LAN(ad-hocモード)を通じて、Fedoraマシンが接続したインターネット・アクセス(有線/無線LAN、3Gデータ通信など)を他のマシンと共有する「コネクション共有」機能も備えている。

 一方、セキュリティ面では、セキュリティ監査とIDS(侵入検知システム)の両方の機能を備えるツール「SecTool」が新たに追加された。GUIツールを利用すれば、設定ミスやシステムの異常を検出するセキュリティ・テストも簡単に実施できる。また、従来から搭載されているSELinuxでは、より細かなアクセス制御が可能となっている。

 さらに、Fedora 9で追加された、ソフトウェアのインストール/アップデート・ツール「PackageKit」も機能強化された。Fedora 10のPackageKitは、ユーザーが開いた音声/動画ファイルを認識し、それを再生するために必要なコーデックのパッケージを自動的に検索する機能を備えている。ユーザーが許可すれば、リポジトリ(インターネット上のパッケージ配布サイト)から必要なパッケージを自動的にダウンロード/インストールしたうえで、メディアを再生する。将来的には、これと同様の機能がフォントやアプリケーションに対しても適用されるようになる見通しだという。

 他にも、サウンド・サーバ(オーディオ・システム)の改良による消費電力削減、より幅広いWebカメラへの対応、印刷処理機能の強化など、さまざまな面で機能が向上している。さらに、Red Hatでは「Fedora 10は他のどのOSよりも多くのハードウェアをサポートしている」と強調している。

(Chris Kanaracus/IDG News Service ボストン支局)

【関連記事】
レッドハットのRHEL/Fedoraインフラ・サーバがハッキングされる
【LinuxWorld San Francisco 2008】“Cambridge”こと次期Fedoraのアルファ版が公開
【Red Hat Summit 2008】レッドハットが仮想化市場に本格参入、KVMベースの「oVirt」をリリース
Fedoraプロジェクト、Linux新版のFedora 9を正式リリース
【解説】「KVM」——Linux標準の仮想化機能の得意領域を知る

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081126-00000000-cwj-sci