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2008年11月25日(火) 14時30分

<ルポ>学生が大麻所持で有罪の同志社大 予感、反発、個人の問題…学生の声を聞く毎日新聞

 ◇「いろいろな人がいる」「自覚足りない」「就活に影響が」

 同志社大や関西大、首都圏の「早慶」など全国の有名私大で、相次ぎ発覚している学生による大麻所持事件。学生たちはこの事態をどう受け止めているのか。神戸地裁で今月13日、4年の女子学生(22)=休学中=が執行猶予付き有罪判決を受けた同志社大の今出川キャンパス(上京区)で聞いた。【朝日弘行】

 京都御所の北に位置するキャンパス。シンボルのクラーク記念館(国重要文化財)をはじめ、歴史あるれんが造りの建物が洗練された雰囲気を醸し出す。観光客たちの出入りも多い。「薬物の話なんて学内で聞いたことがない」と学生らは口をそろえる一方、相次ぐ事件に「ウチの大学でも起きるのでは」との予感もあったという。

 社会学部2年の女子(19)は所属大学を理由に注目が集まることに反発を感じる。「世間からは『高学歴の人が』と見られるかもしれないけど、大学にはいろいろな人がいる。個人の問題だと思う」

 「実はあまり身近に感じない」と打ち明けるのは政策学部3年の男子(21)。「(学風から考えて)アンダーグラウンドなことをやっている人は少ない」と思うからだ。ただ、早大生らのサークルの集団性的暴行事件(03年)など相次ぐ事件に「感覚が鈍ってしまっている」とも感じる。

 法学部3年の男子(22)は「有罪となった女子学生は大学の看板を背負っているという自覚が足りない」と指摘。大学生が大麻を吸うなんて思いもよらなかったという文学部3年の女子(21)は、今では「氷山の一角では」と疑うようになったという。

 “被害”を心配する声もある。商学部1年の女子(19)は女子学生と学部が同じ。不況下だけに「イメージが悪くなって将来の就職活動に影響が出なければいいけど」と切実な悩みを口にした。

 同志社大は今後、女子学生の処分を検討する。「大学生は自由だが、責任も重い。学ぶ機会が奪われても、どう人生を歩むかよく考えてほしい」。裁判官は判決でこう諭した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081125-00000032-maiall-soci