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2008年11月25日(火) 09時02分

株価下落でマルウェア増加、不安につけいるサイバー犯罪ITmediaエンタープライズ

 サイバー犯罪集団が景気の不安に便乗する戦術を採用し、株価が急落するとマルウェアが急増する傾向にあることが分かったと、セキュリティ企業のPanda Securityがブログで報告した。

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 同社は米国で株価が急落した9月、株価の推移に照らしてマルウェアの動向を調査・分析した。その結果、平均株価が下落すると、それに呼応して新しいマルウェアの検出件数が増えることが判明。株価が下落を続けた9月1日から10月9日にかけ、マルウェア活動は活発化し「マルウェア市場」は大幅に上昇したという。

 同社がブログに掲載したチャートによると、米国で平均株価が3%下落した9月9日には新手のマルウェアが前日比で100%以上増えて2万4000件を突破。5.5%の下落となった9月16日には3万1000件を超えた。

 これは、景気不安の高まりに乗じてできるだけ感染を拡大しようという犯罪組織側の意図的な戦略のようだとPanda Securityは解説する。今月上旬には偽セキュリティソフトに3000万人が感染し、そのうち3.5%が執拗なポップアップの脅しに負けて金を払ってしまったという。これ以上損をしたくないとの不安から、偽のウイルス対策ソフトにだまされて金を払うユーザーが増えると踏んだ犯罪組織側の狙い通りになったとPanda Securityはみる。

 犯罪集団は常に戦略の調整を行っており、景気不安が強まる中、企業やユーザーはマルウェアの危険から身を守るための対策を強化する必要があると同社は指摘している。

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