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2008年11月24日(月) 00時07分

同時通訳大丈夫かな…首相“英語力”で首脳会談進める読売新聞

 「きょうは同時通訳は大丈夫かな」「大丈夫、大丈夫」──日米の両首脳は会談の冒頭、英語でこんな会話を交わした。

 9月のニューヨークでの国連総会で、麻生首相の演説中に通訳機器が故障したハプニングを踏まえたやりとりに、出席者はそろって大笑いした。

 会場に到着し、ブッシュ大統領と握手を交わした首相が、笑顔で会話しながら席に移動した直後のことだった。

 外務省幹部は打ち解けた首脳会談の様子について、「首相は自信を持つ英語力を生かし、まず大統領の気持ちを引きつけるのに成功した」と語る。

 ただ、同大統領との会談は今回が最後となる。今後の日米関係のカギを握る首相とオバマ氏との関係は、未知数なのが現実だ。

 ブッシュ政権での日米首脳会談は、今回も含めて21回に上る。首相は会談後、記者団を前に、「この8年、日米関係はよくなった。首相と大統領の個人的関係もよくなったことははっきりしている」と振り返り、オバマ氏との関係構築にも自信を示した。

 今回の会談でブッシュ大統領は、海自の給油活動の継続や在日米軍再編への協力を求める一方、北朝鮮による拉致問題では「(協力方針を)オバマ政権にも引き継ぐ」と約束した。

 ねじれ国会の影響で厳しい政権運営を強いられ、外交面で政権浮揚の糸口を見いだしたい首相にとって、日米関係はその軸となる。給油継続などの課題を決着させて関係を強化し、これを背景に拉致問題などを進展させたい考えだ。首相は新政権の方針を探るため、オバマ氏との会談の早期実現を目指すことにしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081124-00000000-yom-pol