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2008年11月24日(月) 00時00分

飼い犬の死にストレス? 年間34万匹が殺処分中国新聞

 銃刀法違反容疑で逮捕された小泉毅こいずみ・たけし容疑者(46)は警察当局に「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」と話しているという。元厚生次官ら連続殺傷事件との関連性は不明だが、小泉容疑者の父によると、同容疑者は幼いころにかわいがっていた飼い犬が死んだのを悲しがり、その後自宅に入ってきた野良犬を一時期、飼っていた。だが人に向かって激しくほえるため、家族が保健所に犬の引き取りを依頼した。

 犬や猫の処分について著書がある作家の小林照幸こばやし・てるゆきさんは「家族が『近所迷惑になる』などと子供の同意を得ずに犬を保健所に連れて行き、子供が強いストレスを抱えるケースはある」と指摘。「ただ行政もやむなくやっている処分。こうした動機が旧厚生省幹部を殺すという発想に向かったのなら釈然とせず、やり切れない」と話している。

 環境省によると、二〇〇六年度に全国で行政機関に引き取られ、殺処分された犬と猫は計約三十四万匹。ペットブームの一方で「ほえてうるさい」「引っ越しで飼えなくなった」など飼い主の事情で手放すケースが後を絶たない。

 飼い主が飼えなくなったり捨てられたりした犬や猫は動物愛護法と狂犬病予防法に基づいて保健所や自治体の動物愛護センターなどに収容される。その後、新たな飼い主が見つからない場合、二酸化炭素を充満した部屋に入れられるなどして殺処分される。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811240062.html