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2008年11月24日(月) 21時54分

露、北方領土問題で譲歩の気配なし読売新聞

 【モスクワ=緒方賢一】ロシアのメドベージェフ大統領は22日の麻生首相との初の会談で、北方領土問題の解決が必要との立場を確認したが、ロシアは経済関係を軸とする対日関係の急拡大を歓迎しているものの、当面、領土問題で日本に歩み寄る気配はない。

 タス通信によると、プリホジコ大統領補佐官は22日、「麻生首相は前任者らがプーチン、メドベージェフの両大統領に話したことを繰り返した」と述べ、今回の首脳会談で新たな展開はなかったと総括。大統領が「この問題の解決を次世代に委ねることは考えていない」と発言したことは確認しなかった。

 内外政策に影響力を持つプーチン首相は大統領在任中、日ソ共同宣言(1956年)に基づき、歯舞、色丹の2島返還で決着させるとの立場を打ち出した。メドベージェフ大統領は北方領土問題の解決に意欲を示しているが、基本的な立場はプーチン氏と変わらないとみられる。

 首脳会談の直後、ロシア政府系企業「ガスプロム」幹部は、液化天然ガス(LNG)の対日輸出を2月に開始すると発表した。日本企業のロシア進出に加え、ロシアからのエネルギー供給と、経済関係の拡大基調は続いている。

 ロシアは対日関係で、領土問題の存在が経済関係の足かせとなっておらず、ロシアが問題解決を急ぐ状況ではない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081124-00000037-yom-int