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2008年11月24日(月) 21時10分

<EU>電子図書館に1300万件殺到 開館1日でパンク毎日新聞

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)が20日開設した電子図書館に人気が集まり、コンピューターの処理能力を超える数の利用者が殺到したため、開館1日で「一時休館」となった。担当者は「人々に関心を持ってもらった証拠。12月半ばまでにはサービスを再開したい」と話している。

 加盟国にある1000カ所以上の美術館、博物館、図書館などが収蔵するデジタル化された絵画や写真、映画、書籍など200万点以上の情報をインターネット上の一つのサイトに集め、利用者が検索しやすい仕組みを作った。欧州市民に自分たちの文化遺産を身近に感じ、より知ってもらおうという試みだ。

 電子図書館事務局(オランダ・ハーグ)は、1時間あたり最大500万件の利用を想定していたが、20日午後には1300万件を突破し、コンピューターが機能不全の状態に陥った。EUの行政府・欧州委員会の報道官は「多数の人が同時にモナリザの絵や、カフカ、セルバンテス、ジェイムズ・ジョイスの本を探したため」と説明している。

 電子図書館事務局では今後、コンピューターの処理能力を上げて、利用者増に対応できる態勢を整える。欧州委員会は「2010年までに1000万点の文化財が電子図書館で検索できるようにしたい」との目標を立てている。

 電子図書館(EUの23の公用語)はhttp://www.europeana.euだが、現在は利用できない。サービス再開まではhttp://dev.europeana.euで図書館案内(英語)を見ることができる。

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